インナーチューブ、コーティングとメッキの違い
フロントフォークのコーティングについて
純正採用のハードクロームメッキは、その汎用性やコストの面で多くのバイクに採用されています。しかし、特にサーキット走行や高負荷のシーンでは、硬質クロームメッキの限界が見えてきます。強力な外力により表面が摩耗し、荒れていくことがあるため、これを補完するための高性能なコーティングが重要です。
1. ハードクロームメッキと特殊コーティングの比較
ハードクロームメッキは、安価でありながら高い耐摩耗性を誇るため、一般的な使用環境では十分な性能を発揮しますが、長期的にはその限界があります。例えば、ハードクロームの表面硬度は通常800~1000HV(ビッカース硬度)と言われています。
一方で、最近のフロントフォークでは、これを凌駕する特殊コーティングが用いられるようになっています。特にチタンコーティング(イオンプレーティング)が代表的です。このコーティングにより、表面硬度は2000~2500HVにまで向上します【Web引用】。この高い硬度により、過酷な条件下でも耐久性が飛躍的に向上し、長寿命化が図られます。
2. 特殊コーティングのメリット
特殊コーティング(例:チタンコート)は単に耐久性を向上させるだけではなく、摩擦の低減にも貢献します。ゴム系シールとの接触が大きいフロントフォークでは、摩擦が多く発生し、動きに影響を与えることがあります。特殊コーティングを施すことで、滑らかな動きを実現でき、サスペンションの反応性が改善します。
さらに、耐久性の向上も大きなポイントです。通常のハードクロームに比べて、特殊コーティングはより長期間にわたって摩耗を防ぎ、結果的にメンテナンスの頻度も減らせます。
3. コストと効果
コーティングの費用は10万円を超えますが、その投資は長期的なメリットをもたらします。耐久性の向上とともに、走行中の安定性とスムーズさが向上するため、特にサーキットや高負荷な環境での走行をする方にとっては大きな価値があります。
まとめ
フロントフォークの性能向上には、特殊コーティングが非常に効果的です。特に、ハードクロームの限界を超えたチタンコートを施すことで、サスペンションの動きがより滑らかになり、耐久性が大幅に向上します。作動性や耐久性を高めたい方には、インナーチューブのコーティングを強く推奨します。