2022年型、CB650Rのフロントフォーク改造を終える。

 CB650Rのフロントフォーク改造を無事に終えました。

 微調整は必要になりそうか感じは受けますが、乗り方次第です。今回はジムカーナが主な用途のために、スプリングレートは0.85~0.95Kgf/mmに収まると考えています。

 油面も奥を使いやすいように、少し低めです。

 改造は多岐に及ぶ
 加工や部品制作について、掻い摘んで解説します。

 1 カートリッジの固定方法
 基本構造がBPFなので、ボトムでカートリッジを固定していません。そのため、固定子をつくりインナーチューブ下部に受けを造りました。

材料の加工初期
完成品。
使用状況の参考。

 この固定子により、カートリッジを組み立て可能にしました。

 スプリングシートの受け
 以前のブログにも記しましたが、組立工程の都合でカートリッジシリンダ上部のスプリングシートをアルミで造りました。これは通常圧入されている部品を容易に着脱可能にするためです。

スプリングシートを分離した状態。
0.1mm程の隙間を設け、容易に取り外しが可能。

 減衰特性の変更
 使った減衰力発生機構(いわゆるカートリッジ)は当然CB650Rようではありません。そこで過去の蓄積を基にして、減衰特性を作り込みます。

 これまでに自社でSGCF4Pと呼ぶ、カートリッジキットを制作してきましたが、似たような車種を若干の変更を加え組み込んでいます。

 設定が仕上がってくると車種ごとに大きな違いは小さくなり、かなり収れんしてゆきます。

新品カートリッジを購入し、分解。
純正に合わせSHOWAの品を選んでいます。

 組立工程
 

図面に起こした品を組み込んでゆく。

 オイル等を入れずに仮組みを行います。当然ではありますが、造った部品が干渉していないか。狙った寸法になっているのか。組み立て作業に無理はあるか。など検証が必要です。

 次回も同様の構造で造るならば、このあたりの検証作業が大幅に低減するので時間短縮は3~4時間になるでしょう。基本骨格はメーカーが造った寸法なので、それに合わせるようにすれば良いので、気は楽です。
 基本設定から始める車両メーカーやサスペンションメーカーには足を向けて寝られません。

 完成

狙い通りの仕上がり。

 右 伸び減衰
 左 圧減衰
 イニシャルは左右で調整可能

 上記の仕様で問題なく完成しました。スプリングも汎用性の高い寸法を採用したことで、レートを変更することも容易に可能です。

 サスペンション(ショック)は基本設定も重要ですが、そこからどれだけ調整を詰めて行けるかも同じく大切です。各部の調整、スプリング交換、油面変更が楽にできればそれだけ良質なセッティングに早く到達出来ます。

 今回は部品代、車両からの脱着工賃等を含め、概ね20万円の内容でした。

 

 

 

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