Z2のリアショックO/H

 この数年で依頼数が激増している旧車のO/Hです。

 Z2などのカシメ型は数多く作業をしていますが、今回は年式により刻印があり、それを残して当時のままで仕上げたいとの希望でした。

 そのため外観に対してはメッキをそのままにして、サビのひどい部分のみ真鍮ブラシで磨いて対応しました。

 ロッドは再メッキで表面を綺麗に仕上げました。カシメ型はO/H回数に限度があるため、機能部分は確実に仕上げなければその回数が減ってしまいます。そこで価格は高価になりますが提案を行い、絶対と言えるほどに問題が発生しない様に進めています。

 その一環としてロッドと相対する「ロッドガイド」は、純正で直滑りなのに対しガイドブッシュを圧入して作動性と耐久性を同時に底上げします。

 これによりロッドへの攻撃性が大幅に下るおかげで、表面を長期間良好な状態に保て、O/H回数の減少につながるのです。これは先述のO/Hに回数制限のあるカシメ型ショックにとっては極めて重要な点です。

ガイドブッシュ加工を終えて、左 圧入後の状態。
加工後の部品、右は圧入を待っている状態。

 ガイドブッシュの圧入寸法は、ブッシュメーカーの指定値があります。それを基準としつつも適度な隙間寸法を求め、上限値と下限値の間で狙い所を考えます。

減衰力を発生するピストン。

 当時の姿をそのままに、O/Hにより当時の性能をもう一度取り戻す事が可能です。たしかに現代的なダンパーの方がより高性能ではありますが、懐かしさを求めそのままの形を維持するのも二輪車の楽しみ方の一つです。

 カシメ型のO/Hはその様な要望に答える、一つの手段だと考えています。希望があれば殆どのショックはO/H出来ますので、一度相談して下さい。

 カシメ型のO/Hはツインショックなら概算で10万円~が相場となっています。

 

Share your thoughts