VTR1000SP1/2のフォークスプリングカラー

 20年近く前に旧知の日吉ホンダ(お店は既に廃業していますが)の吉井さんからSP1をしばらく預かり、色々と試させて頂いたのが切掛でした。

 フロントフォークの動きがおかしいと感じ、その原因を探るとイニシャルが不足しているのを発見し、それを解消するため手当を行うと驚くほど車両の印象が変わります。

写真はSP2。

 その問題点に関しては動画で何度も話していますが、再度もじで説明します。

 サスペンションは本来、バネの反力で持ち上がっています。そこに車重なり人間の重みがかかると沈むのは道理。

 ですがSP1/2にCBR929や954はフォーク内部でスプリングが伸び切ってもなお隙間が存在するために、その隙間分だけフロントフォークが沈んでいます。イニシャルを最強にしてもその隙間は消しきれないので、フロントフォークは少しの入力で底づきを起こすので、硬く感じるのです。

 そこで隙間を埋める部品を制作して、挿入すると普通のバイクに近づきます。それでも純正のフォークスプリングは当社の実測値で1.05Kgf/mmと横置きV型2気筒としては硬いので、突っ張り感を拭えません。

足りない尺を補うアルミ製カラー。

 どこを走るかにもよりますが、0.9~1.0Kの範囲でまとめた方が良いと考えます。実際、写真のSP2はリアショックのみの交換→フロントフォークカラー追加→フォークスプリングの交換を順に行い、お客様はその都度で変化する車両の動きに驚きつつも、良い変化を体感して喜んでいただけました。

フォークの基本設定が変わるので、突き出しも調整が必要になります。

 当然、フロントフォークだけで全てが解消するわけではありませんが、先ずは一番大きな問題を解決し、次々と潰してゆけば最後には大きく良い方向へと変化します。

写真の車両は一品物のFG/FFX.Tを採用しています。

 同スプリングカラーは¥12,800(送料税抜き)で受注生産しています。違うバネの硬さに交換する場合はセット販売も行いますので、興味の有る方は問い合わせ下さい。

 現在、社外品のリアショックを使っている方も、よりご自分の使い方、乗り方に合ったバネ交換、減衰の仕様変更やO/H等も対応致します。

 

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