スプリング交換した時の体積変化をどの様に合わせるか
レーサーのように純正オプションでスプリングが用意されている場合は、油面も指定されている場合が多く、セッティングの基本を出すのは難しくありません。
しかし違う車種のバネを流用したり、寸法が全く違う品を使う場合は、その限りではありません。
ではどの様にするべきなのか?計算で導き出す手法と、実測する方法の二通りを紹介します。
動画でも簡単に解説していますので、御覧ください。
1 重量から導き出す
スプリングの材質は基本的に鉄です。合金ですがその殆どは鉄と捉えて差し支えありません。そこでバネの重量を測定します。
測定した重量は318gでした。このバネを鉄の比重7.87で計算します。水の比重は1ですから、そこから簡単に導き出せます。
318÷7.87=40.4 つまり写真のバネの体積は41.4ccです。
もう一本、小さいバネを測定しました。
157÷7.87=19.94 約20ccです。
計算から導き出された結果は1のバネと2のバネで体積は約20cc違うため、量としてはその分だけ変えます。
2 計算する
更に油面をどう合わせるのか?ですが、これはインナーチューブの内径を測定すれば円柱の体積を導き出すことが可能です。この計算式は少々手間ではありますが、難しくはありません。
インナーチューブの内径を測定し、
1の式 半径×半径×3.14=円の面積(A1)を算出します。
1の式で得られた答え(A1)で、変化させたいオイルの体積(20cc)を割ります。
2の式 変化させたいオイルの体積20cc÷(A1)=高さ(変化させたい油面)
ここで2の式を用いて油面の変化量を計算できました。これは円柱の体積の求め方
半径×半径×3.14×高さ=円柱の体積
この計算式がわかっていれば、後は計算方法をどこに当てはめればよいのか、間違わなければ答えにたどり着きます。
難しいのはカートリッジ型の場合で、インナーロッドを持つ仕組みです。これはインナーロッドの体積分を考慮し、引き算しておく必要があります。
次はもっと簡単な手法です。
3 実測する
十分に長いメスシリンダーを用意します。
実測するには2つの手法があります。
先ずはバネを入れたメスシリンダーにオイル等を満たします。任意の量まで注ぎ込み、その後でバネを抜き出します。
その変化量がそのバネの持つ体積です。
次にメスシリンダーに先のオイルなどを任意の量を入れておきます。後からバネをそこに挿入して、上がったメモリの分が体積変化量です。後者の測定の方がより正確に測れるのでお勧めです。
この「3実測する」から得られた数値を「2計算する」の式に当てはめて油面変化量を求めます。
「2計算する」の部分で単位を間違えなければ簡単です。mmなのかcmなのか?gなのか0.~gなのか。
基本単位を揃えれば大丈夫です。
今回は以上で終わりです。