SGMFG002とSGVF01
NSRのための46シリンダーを採用した半自社製ダンパー、SGMFG002が完成しました。
リザーブタンクを配した設計でガス室に余裕があり、オイルとガスをフリーピストンで分割してあります。ピストンに載るシムは圧(コンプレッション)で最大径41パイ、伸び(テンション)で38パイと46シリンダーの中でも最大径を使用しています。
自由長213.5mm プラス10mm ばねはベステックス 19.44kg/mm(実測値)
上記設計により、ダンパー性能に余裕があり、ダイアルも微細に変更が可能です。リザーブタンクを設けた事により、圧側減衰調整を持たせられたので、他の調整機能による変動を打ち消す事も出来き、より好みへとセットを合わせられます。
取り付け上部は車高を確保するべく、ドライベアリングと金属カラーを組み合わせ、他方にはピロボールを用い、回転運動量の多い箇所に対応しています。
フロントフォークは外観からは判りませんが、自社製作のバルブ「SGVF01」を導入しました。先日製作したカートリッジキット「SGCFkit 4P 003」からの発想を受け継ぎ、以前から採用していた当社の「クシダバルブ改」を上回る性能と使い勝手の良さを実現できました。SFVF01の良い点は部品点数を削減しながらも、減衰変更の場合に最小限の手間で済む点であり、設計による無駄の削減と性能向上を同時に得られました。このフォークは10番のオイルを使用しながらも、シートパイプ溶接と同等な減衰を生み出す上に、圧減衰(コンプレッション)も発生させた上、調整も可能としています。
オイルの粘度を上げると泡は起き辛いのですが、消泡性は悪化します。柔い粘度のオイルはその逆です。一長一短ありますが、当社は消泡性を重視しています。
今後はダンパーのオーバーホール事業の継続はもとより、レースサポート、純正部品流用による部品製作、自社製作部品の販売、更には完全自社製のダンパー開発、販売を目標に仕事を進めてまいります。