NGK杯グラチャン、年内最後のレースを終えて。

 11月29日に年内のレース活動が全日程を終えました。

 56Racingと関わり4年目となり、チームとしては飛躍の年だったと感じます。成績が大きく変わったわけではないのですが、チーム力の向上は内部にいても実感できましたし、周りの方にもその様な言葉を頂きました。

 グラチャンにおいて一番重要だったのは、前週に行われた3本の練習走行でした。ただ、これは練習と呼ぶよりもテストの性質が色濃く、それまでのチームの方法論からは少し外れたものでしたが、埜口選手と桜井選手の実力を考慮し最善の手法だと確信していたので、監督の許可をもらい実行しました。

 そのテストと、それまでに得られたデータを合わせ持ち、レースウィークに入りました。金曜日から土曜の午前中に行われたフリープラクティスで、セットの微調整のみ行い基本的には走りこみを重視し、ライダーの気持ちを高めること主眼に事を進め、狙ったように進んだと思います。

 レースは周知の通り5位と17位に終わり、決して望んだ結果を得られませんでしたが、ライダーの頑張りやプレッシャー、チーム員の努力を考えれば、3年連続で入賞した事実を眼を向けるべきだと思いなおしました。国際ライセンスやベテランライダーに囲まれる状況で、同一ライダーで無い中での連続入賞は、特筆に値するのではないでしょうか。

 サスペンションのセットアップを重点に話を展開しますが、一番重要なのはライダーの能力です。いくらセットを変更しても実力以上の結果は得られません。最後は1mm、0.5mmの数値を追うことになりますが、重要ではあるが逆にその程度の事でタイムを出せないようならば、ライダーの能力を疑うべきです。そして、その能力を高めるべく無闇にセットを変更せずに、色々な走り方に挑戦してもらう方が人生においても有意義だと知りました。

 問題が起きても環境や状況に文句を言うのではなく、自分を変えていく力を身に付けられるならば、レースを走る意義を見出せそうです。もちろんそれを手伝う意義も感じています。

 桜井選手の卒業記念とチームの忘年会を催していただき、チーム員の皆さんがそれぞれ一年間の思いと、桜井選手加入後の3年の思いを話しました。一番心に残ったのは桜井選手の「学校の行事よりもチームの活動の方が楽しかった」との言葉です。若い人(特に女の子)がおじさん達を相手にした活動の中で、なにか大きなものを得られ、その手伝いの一端をになえただけでも自分の人生が無意味でないと実感します。

 家族でもない人たちが集まり、時間と気持ちを共有し達成感を持てるのが、こんなにも人生を豊かにするのだと知り、団体スポーツの経験が無い自分がこの年齢で体感させてもらえて、ライダー、監督、チームの全員、スポンサーの会社の方々に感謝します。なかなか気持ちを伝える機会がありませんが、この場を借りて申し上げます。

 来年の計画は未定ながらも、少しずつ形が見えてきましたので、活動は随時報告します。

 ありがとうございました。