筑波選手権リポート、結果。
昨日は筑波選手権に参加していました。
GP3の埜口遥希くんは予選4位、決勝3位。
CBRカップの渡辺瑛貴君は予選2位決勝2位でした。
担当したNSF250Rの埜口君は、予選で車体のトラブルが発生し、タイムが伸びませんでした。サスペンション・セッティングも第2戦で試して問題が起こったのと同様のセットを試みたのですが、やはり同じように問題が起こり、結局はもとに戻し決勝を走りました。
理論的にはメリット、デメリットの両方があり多少は得られる物があると思い試しましたが、最終的に得られたのはこの方向性はどうも違っているという事実です。帰社後に大槻、矢作を交えた反省会(近所のラーメン屋での食事)で「リアだけでなくフロントも含めた全体の変更ならば、良くなることもあるのではないか?」との結論に達しました。
次戦は11月末のNGK杯ですが、それまでにもう少し戦える車体を考えてみます。
CBRの渡辺君は、やっとレースを戦うレベルに到達しました。速さは持っているし素質はあると考えたからこそ、中野監督が選んだライダーでしたが、その本領を発揮するのに、シーズン終盤まで待たなければいけなかったのは残念です。逆にチームとして苦しい状況が長く続く中で、どのようにライダーを見捨てず、育て、引き上げるかという事を十分に学びました。
前戦の鈴鹿で成長を実感し結果もある程度ついてきたので、今回の筑波も十分に期待していましたが、その期待に応えるしっかりとした予選、決勝の内容でした。この後の渡辺君には大きな心配は不要なようです。
育成目的のチームという事は、子育てと同様だと感じています。駄目だからと言って見捨てる事はできません。悪い部分は矯正し、良い部分を伸ばすのは、子育てそのままです。結果を重視するレーシングチームは結果に対して言い訳のできないという、違った苦しみがあると思います。最近の社会全体の傾向として「良い部分を褒めて伸ばす」事を重要視しすぎている気がします。レースは他者の居る競技です。自分に勝って、他人にも勝たなければいけません。その観点から、問題点を徹底的に洗い出し、改善するのを重視しなければいけないのかと、非常に悩んでいます。
育成は素質を持ったライダーをどの様に育てるかが重要です。育成期間の2年で優勝争いができないようでは、本当に素質があるのか疑う必要があるかもしれません。厳しさと優しさのバランスポイントを探すのは、難題です。
昨日は二人とも優勝争いに絡んだので、最低限の評価を与える価値はありますが、二人とも優勝を逃したのは厳しさが足りなかったのではないかと、自身を疑う結果でもあります。目標はGPライダーでありワールドチャンピオンなのですから、キツイことを言って悔しい思いをさせても、その結果ワールドチャンピオンを獲得できるなら、その方が正しいと考えています。
NGK杯までの残り一月で私や大槻も成長しなければ、チームとライダーの邪魔になるので、日々を懸命に生きて参ります。