Z900RSのセッティング
Z900RSは基本的によくできたバイクで、サスペンションだけでなくエンジンやポジションも市販状態でかなり良いと感じるのが、私の印象です。
それでも何台もZ900RSを作業し、サスペンションも全て分解してみると、調整だけでももっとよくできると確信します。これまでにも記事にしましたが、改めて依頼を頂いたので、その内容を記します。
1.セッティング依頼
新車で購入したお客様が、乗り心地の悪さを感じ解消したいと希望され問い合わせがありました。日程を調整して、天気の良い土曜日にお越しくださいました。
2 実際のセッティング
基本的には調整のみで割と満足できるので、今回はダイアル関連だけでまとめました。
リアから始める
一番強く感じるのはリアの高さ。そのためプリロードを半回転〜1回転抜いて(弱めて)様子をみます。この辺りの数値は体格や感覚で好みを選べば良いのですが、少なくともかなり体重がないと、STDよりも抜く方向になるのは間違いありません。
プリロードを ½〜1回転弱め、動きを引き出したところ、体重70 kg 前後なら STD 値より抜く方向が確実に好結果でした。
フロントは?
リアを抜いて動きを出すと、今度はフロントの低さを感じます。後ろを下げたのにまだフロントが低い。そこでフロントのプリロード調整を行い、前を持ち上げます。今回は1〜2回転かける方向で様子を確認して良いところを見つけられました。
3前後バランス
昨日の動画とブログ記事にもしたのですが、サスペンション調整の目的は車両の良さを引き出すこと、それを行うには前後の高さをバランスさせることが重要です。
サスペンションの調整は先ずバネ系から始め、伸び減衰、最後に圧減衰の順番が適正であり、最も早く答えを導き出せます。これに追加してフォークの突き出しやリアの車高調整(純正で備えているのは珍しいのですが)があります。私は経験則から、車高調整を”最後の補正”として用いるのが正解と考えており、重要なのはやはりバネです。
- バネ(プリロード)調整で追いつかない時にはバネ交換
- 伸び減衰
- 圧減衰
この順に進めるのが最速で正解へ到達する方法。フォーク突き出しや車高調整は最後の微補正として用いるのが理想と考えています。
4自分でもできるのか?
必要な工具があれば誰でも調整可能です。現状を記録し、変更点と走行フィーリングをノートに残せば、理想に近づけるはず。ただしバネ交換や減衰特性の大幅変更が必要なケースでは、専門店への依頼をおすすめします。それでもチャレンジする価値は大きく、バイクとの一体感が増すことは間違いありません。
まとめ
Z900RS はノーマルでも優秀なバイクですが、適切なプリロード調整だけで乗り心地もハンドリングも大幅に向上します。ぜひ愛車の調整機構を活用し、“本当のポテンシャル” を体感してください。
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