NSR250のフロントフォークを改造
TOTに出ている車両の改造を依頼され、作業を行いました。
MC18のNSR250ですが、フロントフォークはMC21を使い、スイングアームも21のガルアームです。
依頼内容は、純正フロントフォークの動きに限界を感じているため、減衰とバネのバランスを取り直すついでに、コンプレッションアジャスターの調整機能を追加する点です。
ここ10年で急速に一般化した感のある右に伸び、左に圧の調整を持つ機構です。カートリッジとピストン自体は純正をそのまま使用しますが、トップアウトスプリングを追加するにあたり、部品を造り直しています。NSRでは初めての作業でしたが、かなり良い感じになってきました。一発目から相当詰めたセットに出来たと思いますので、後はダイアルや油面の微調整を行ってゆけば、ライダーの思い通りに動くようになりそうです。
今回はオーバーホール、調整機能(SGCFと呼んでいます)にトップアウトスプリングの追加で大よそ13万円程度でした。ここから更にピストンをFGなどに交換すれば、詰めていった時の動きに違いが感じられるようになります。それは、NSRで筑波を1分1~2秒くらいから差が出る内容です。カートリッジを丸ごとFGなどの社外品に交換すれば、相当なレベルアップを図れますが、部品代だけで20万円以上した上に、取り付けるためには更に部品製作が必要となります。総計で30万円もかかったのでは、フォークを丸ごと交換する事も考えられそうです。ただ、41パイの正立では選べませんし、倒立にするにも社外品は43パイがほとんどなので、600ccの純正を流用するのが現実的となり、選択肢はかなり限られます。