VTR1000ファイアーストームのフロントフォーク

 キャンペーン企画で入庫したお客様のフロントフォークをオーバーホールしている際に、驚く状態を目撃しました。

 カートリッジタイプのフォークですが、伸びピストンを留めるナットが緩み、シムやピストンがシリンダー内で遊んでいました。車体を押した際にもやけに柔らかいとは感じましたが、分解して原因が分かりました。

 フロントフォークの他の個所も全体的に締結のトルクが緩めで、以前メンテナンスを行ったお店の基本方針が、締めすぎに気を付けているのだと思いました。しかし、圧ピストンの締め付けもかなり緩かったので、もう少し距離を走っていたら緩んでいたはずです。

 同様の失敗ではありませんが、当社も問題を起こした事は有りますので、今回の事例を目の当たりにして、ネジ検査の重要性を再認識しました。因みに壊れた部品は修正し、シムは全数交換となりました。

 他店でオーバーホールを行った品を見るのは楽しい作業です。カシメの削り方、組み方などで技術水準が分かります。このフロントフォークを最初に分解したお店は旋盤を使わずに、カシメをヤスリ等で削り事もなく、ナットを回し無理やり外したようです。この手法を過去に経験があるため、手に取るように分かりました。

 

 2018820182212.JPG2018820182437.JPG2018820182511.JPG2018820182538.JPG2018820182559.JPG2018820182629.JPG2018820182654.JPG