マツダ、デミオを試乗

 一昨日の夜に、マツダのデミオに乗る機会を得られました。

 現行型の細かい仕様変更を受けた3型だそうですが、かなり良い発見がありました。

 試乗の場所は首都高の辰巳PAを出発し、深川線から箱崎を通り環状内回り、浜崎橋からレインボーブリッジを経て、辰巳へ戻るルートです。走り出してすぐに、車の質感の高さを感じました。これは内装、ハンドルの抵抗、アクセルペダルとブレーキペダルの節度から感じ取れます。1.5Lのジーゼルターボエンジンはかなり力強く、現実感のある加速をします。ブレーキも同じく踏んだ分だけ反応する、乗り手指向の動きです。余計な事を考えすぎた車はアクセルを踏んでも進まず、ブレーキを少し掛ければつんのめる様な仕様もありますが、デミオは全てが上質でした。

 速度を上げコーナー入り口から出口までFF車らしい動きを程よく抑え、フロントの重さをあまり感じずに済み、上手にゆったりと穏やかにフロントサスを動かし、リアも適度に抑えられてコーナー入り口でタイミングを取りやすい仕上がりでした。この車に乗ったおかげで、先日試乗したアテンザの2.2ジーゼルターボの問題点も見えてきました。乗り味にフラット感を出したいと頑張り過ぎたせいで、前の圧と後ろの伸びの動きを抑制しているようです。「フラット感」を出すのではなく「フラット」です。平板に乗っているような感じとも言えます。ピッチが無いので、コーナー入り口のハンドル操作においてタイミングを取りづらくなり、それが運転に対する楽しさを奪っている気がします。

 この着想を得るに至る経緯には、ルノー・ルーテシアGTに乗った事が、大きく影響しています。あの車は人が操る事を想定し、サスなどを含む動きを演出しています。作り手の意図・用意した「間」もしくは「瞬間」、更に言及するなら「隙間」を上手に使って曲がれるし、そうした操作がかなり楽しさを感じさせます。

 今回試乗したデミオも、ルーテシアGTに近い感覚がありました。もっと乗り手を遊ばせてくれても良いと思いますが、ターゲット、価格など考えればかなり良く出来た車です。ホイールベースはカタログ値で2570mm。ルノーのルーテシア(クリオ)は2600mm。Bセグメントの車両は大体、この辺りに落ち着くようです。昔乗っていたEGシビックも2570mmでした。車格が大きいと感じる80スープラは2550mmです。

 デミオには100万くらい値段を高くしてDCT仕様や、単に硬くしただけでなく、質感を高め乗り味を更に追求して、ルーテシアGTに勝る様な楽しい車を造ってほしいと思います。なぜならBセグ辺りは欧州車も抜くところはキッチリ抜いて仕上げているため、完璧でなくても競合になり得るからです。

 

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