海ほたるで考える。振動、波、熱、固有周波数
私の持論では、バイクに限らず乗り物の重要な要素は「振動」です。波とも換言できると思います。他に重要な構成要素もありますが、そちらは有志で考察を深めている最中です。
先日納品の帰りに寄ったアクアラインの海ほたるで、「うみめがね」という資料館を覗きました。船や橋は振動に対する備えに関し、地上を走る乗り物以上に厳しいようです。船は知りませんが、橋に関しては風に対する備え、空力も大切です。
しかし振動や波が大切というと、普段そのような事を考えていなければ特殊な事を言っているように聞こえるかも知れませんが、熱は物質の振動から発生するので、人間にも振動や波が重要になるはずです。セッティングや乗り心地を言及する際「一人一人感覚が違うのでセッティングも変わって当然と」言われますが、これは一人一人の持つ固有周波数(固有振動数)が違うため感じ方が違うと捉えられます。体重や身長が変われば、振動数は当然変わります。これはギターなどの楽器で分かりますが、音の高低は弦長が同じでも弦の太さで変わり、太さが同じでも弦長で変わるのと同義です。
足回りのセッティングを論じる場合、その前に人間の構造を考えるのが大切だと思います。
セシウム原子を用いた原子時計などでも固有周波数が時間を決める要素となります。さらにストロンチウム光格子時計はその固有周波数の違いが、精度に大きな差をもたらすようです。これだけの精度があると、重力による影響で変わる時間経過、を測る事も可能だそうで、相対性理論の検証が可能になり、その結果を楽しみにしています。
脱線しましたが、車両運動においてもこの「振動と波」を数学的に詰めて検証できるような状況を整えたいというのが、中期的な当社の目標としています。