クアンタムのオーバーホール
相変わらずクアンタムのオーバーホール依頼を頂いております。
オイル漏れで困っている方に向け、オーバーホールというよりもオイル漏れ修理と呼ぶべき作業内容です。ただ、使うシールは実績のある国産品であり、長期の使用にも充分耐えます。
クアンタムの純正オイルシールは二種類あり、長時間たつとボロボロと割れてしまう物と、耐久性がそこそこある品です。写真のクアンタムは前者の崩れてしまう型でした。そこで部品を外し旋盤による加工でオイルシールをハマるように加工致しました。小さい穴を進み部品の中間部分に段付き加工を施すのは、少々骨が折れます。自作の溝入れバイトで奥まった深い溝も何とか加工をできるようにしています。
クアンタムはレーシングショックとのうたい文句ですが、ホームページを見るとエア抜きは手で抜く手法のようです。全ての種類で可能という訳ではありませんが、バキュームポンプによる機械抜きも行える場合がございます。別料金にはなりますが、性能の向上と耐久性を上げるにはバキュームポンプの使用は必須となります。
アルミシリンダーが削れている場合は、純正部品が用意できない当社としては心苦しく思いますが、そのまま再使用するか新規で作るかの二者択一となります。アルマイトを掛け直すことも物理的には可能ではあり、実際そのような案内を出しているお店もあるように聞きます。ただ、アルマイトは剥がす時に寸法が変わってしまうため、ある一面では状況が悪化します。
色々な点を考慮しなければならないダンパーですが、どうにも困っていらっしゃる場合は一先ず連絡ください。