318Ciとスイフトスポーツを同日試乗し、セッティングを分析しました
E46とスイフト セッティングにおいて共通した乗り味
ダンパーオイル交換で入庫したスイフトスポーツ。1年半前に新品を購入し、仕様変更を施して納車した車両だが、今になると設定の稚拙さが目立つ。そこで内部を組み替えダンパー(つまりは車)の動きを変える。
細部に言及すると一度沈んだサスペンションがなかなか戻らずに、ベタっとしたサーキット走行を前提とした車両の様であった。
そこで伸び方をしなやかにして、フワッと動く設定に改めた。その事で減速により後ろから前へ重量が移動するのが自然になり、乗り心地が向上しつつ同時にハンドルを切る間を車がドライバーへ伝える、上質で大人の感性(と言いつつもこれは完全に私の趣味である)が刺激される様な、情緒と情感を持つ乗り味を作れたと自負している。
しからば、なぜこの様な車に演出できる様になったのか?という疑問が生じる訳で、その遠因は連綿と続けているこのセイクレッドグランドでの経験であるし、直接的な原因はといえば、自身の318Ciを仕上げた事にある。
そこに至るにはメルセデスやポルシェ(フェラーリはバイクに似ており、エモーショナルではなるが私には上質とは異質に感じられる)、ルノーやワーゲンなどの仕立てを経験したのは良い刺激になっていると、告白せねばならない。
しかし、それらをベンチマーク(もしくはランドマーク)とし直接的な目標とするのは、私の手法ではないのであります。これも以前に記したのではありますが、自身に内在する欲求または要求を具現化したいという強い衝動が、私をサスペンションセッティングへ駆り立てます。
私がセッティングで表現したい世界は、音楽を聴いたりドライブへ出かけた時に見る綺麗な景色であったり、はたまた友人や家族との会話、過ごす時間で感じる心地よさ、と言うべきか快感・快楽をセッティングに混ぜ込んでゆきたいと考えています。
これらをまとめてみれば、二輪車、四輪車を問わずこれら構造物は十分は理論や検証に堪えた上で、実用性を超える何かを付加するためには芸術性が重要となり、それはどの様に得るのかと言えば、やはり日々の生活から作り手自身がどれほどの情感と量感を受け取る(拾い上げるか?)必要があり、私の父が口煩くいっていた言葉で表すなら「感受性が鈍いのは悪」と言う事になろうと思います。
さて、本題の318Ciとスイフトスポーツに共通した乗り味とは一体なんであったのか?要するに作り手が私であるために、同じ方向性を持つ車両になったのです。友人の言葉を借りるなら「一貫性がある」と言う事になりましょう。低速域から高速域まで同じ動きをするし、違う車両でもセッティングの軸は安定感に振るのがセイクレッドグランド流で、安定感の砂山にたてた一本の棒を、警戒感を求め砂を削いでゆく棒倒しが私自身のセッティングの「詰め方」なのです。
棒倒しと違って、砂を盛るもできますが。
この二台を同日に試乗できたのは、非常に良い体験でした。信頼する友人を乗せ彼の評価を仰いだのですが、私のセットアップはスイフトより318Ciの方が相性が良いそうです。実際に乗ってみればそれは明らかです。
詳細には言及しませんが、その主たる原因はホイールベースであると、私は分析しています。
今後はこのホイールベースに依らない良質なセッティング手法、または固有のホイールベースに合った良いセッティングを模索してみたいと思います。