AIラジオ第二回「ニューマチックとレールとセルフアライニングトルク」(21 views)

ホスト(以下A): お疲れ様です、SGF技術研究室です。今日も現場作業の合間に、世界の叡智を脳にインストールしていきましょう。今回のテーマは、スキャン資料から読み解く『二輪車旋回におけるタイヤ力学』です。それでは、深掘りしていきましょう。

解説(以下B): よろしくお願いします。いやぁ、今日のトピックは熱いですよ。普段僕たちが「あ、今フロントが入ってるな」とか「接地感があるな」と感覚で話していることの「正体」が、全部言語化されています。

A: まずは**「キャンバースラスト」**。バイクならではの動きですよね。

B: そうです。10円玉を傾けて転がすのと一緒。タイヤが丸いから、傾けるだけで接地点が内側にズレて、勝手に曲がろうとする。でも面白いのは、寝かせればいいってもんじゃない点。一定を超えると飽和して、それ以上は旋回力が上がらない。

A: そこで必要になるのが、2つ目と3つ目のコンビ、**「スリップアングル」「コーナリングフォース」**ですね。

B: その通り!タイヤが「ねじれる」ことで生まれる角度のズレがスリップアングル。そのねじれが戻ろうとする力が、強力な旋回力、つまりコーナリングフォースになる。キャンバースラストだけじゃ足りない分を、ゴムの変形で補っているわけです。でもこれも、10数度を超えてねじれすぎると限界が来て、急に旋回力が落ちる。ここが転倒の境界線ですね。

A: なるほど。その「限界」をライダーがどう感じ取っているのか、後半の3つの用語がキモになりますね。

B: ええ。特に**「ニューマチックトレール」**。これ、図解で見ると衝撃的ですよ。荷重がかかると、力の中心がタイヤの真下から「後ろ」や「内側」にズレるんです。このズレ(トレール)が長いほどハンドルは安定するけど、フルバンクに近づくとこれが短くなる。

A: だから限界付近では「ハンドリングが軽くなる」と感じるわけだ。

B: 鋭い!そこに**「セルフアライニングトルク(SAT)」、つまりゴムが元に戻ろうとする復元力が加わります。この2つが合わさって、初めて僕たちがハンドルから感じる「手ごたえ(反力)」**になるんです。

A: 結局、ライダーは手のひらで「タイヤの変形量」と「力の中心のズレ」を読み取って、限界を探っているんですね。

B: まさに。だからオーバーホールで「動きの良さ」を追求することは、ライダーにこの微細な情報を正確に伝えることと同義なんです。

A: 以上、今回のトピックでした。この知識が、次のオーバーホールやセッティングのヒントになれば幸いです。さて、理論の整理はここまで。ここからは現場の出番です。今日も安全第一で、最高のサスペンションを仕上げていきましょう。それではまた次回!

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