BMW R12G/S スポーツ（R18 rear）試乗メモ｜足つき・ジオメトリ・初期セッティング所感

要点（30秒）

• 足つき：メーカー公表 860mm。低くはない＝改善余地は大いにあり。公式サイトを確認
• 作動感：フロント「柔らかめ」に感じるのは姿勢（前後バランス）起因の可能性。リアはバネやや硬め。
• ジオメトリ：BMW表記の「キャスター120.8mm」は、一般表記でいうトレール。長大トレール＋前下がり傾向が街乗りではマイナスに出る場面あり。
• 方針（仮説）：リア車高を下げて前後サグと姿勢を整える→倒し込みの素直さ／起き上がりの戻りが適正化。必要に応じレート見直し。

試乗インプレ（初期）

• 足つき：860mmはやはり高め。停車・取り回しで余力が少ない。
• エンジン特性：水平対向ゆえの横揺れは感じるが、むしろ「味」。鼓動と合わさって楽しい方向。
• フロント：パッと触ると柔らかく映るが、これは前荷重強めの姿勢が作動感をそう見せている可能性が高い。前後サグ再設定＋姿勢修正で“ちょうどいい”領域に入る見込み。
• リア：やや硬め。スプリングレートを一段落とすと街乗り〜未舗装の追従性と接地感が上がりそう。

ジオメトリ所感（用語整理つき）

• メーカー諸元の「キャスター 120.8mm」はBMW流の表記で、一般的にはトレール量を指す数値。
  • BMWでは**“キャスター角”＝ステアリングヘッド角度**、“キャスター（mm）”＝トレールの用法が多い印象。混同注意。
• 長めのトレールは直進安定・オフ前提としては合理的。ただし街乗り〜低中速の切り返しでは“手応えの重さ／戻りの鈍さ”として感じやすい。
• 姿勢は前下がりが強い。現車はリア18インチだが、基準設計（ジオメトリ移植）の思想が17インチ後輪前提に思える挙動を示す場面があり、後ろが高い＝前荷重強めに出ている可能性。

舵角とバンク角のズレ（挙動の仮説）

• バンク角に対し舵角が小さめ→セルフスタビリティ（起き上がろうとする力）が弱く、倒れ続ける方向の意志が勝つ場面あり。
• ここを変える一手は車高バランス。
  1. リア車高を下げる（サグ・リンク／ロッド調整、必要に応じレート見直し）
  2. 前後の実効ストロークと戻り速度を整合
• 一般論として**車高を下げる＝バンク角が増えるほどに倒し込み抵抗増す／起き上がり傾向も増す**ため、舵角とバンク角のバランス再調整に効く。今回の症状には合目的。

具体的な初期プラン（想定メニュー）

1. 計測：空車/乗車サグ、フォーク突出量、実効トレール、最低地上高、スタンド傾斜角。
2. 姿勢一次修正：リア車高−20〜−30mm相当（サグ優先）。前は突出で微整。
3. レート最適化（必要時）：
   • リア：一段下げ（体重・積載・二人乗り頻度で決定）。
   • フロント：現状維持で姿勢が決まるなら触らない／不足時はスプリング or 油面で補正。
4. 減衰の当て直し：初期追従→中立の腰→収束の順に合わせる。
5. 実走確認：低速Uターン／都内速度域／ワインディング想定の連続S字などで、サスの入りと戻りを評価。

まとめ（所見）

• 足つき改善＋姿勢最適化で、街乗りの扱いやすさと軽快な切り返しは大きく改善見込み。
• トレール長めの性格は残しつつ、“曲がる／起きる”の釣り合いを整えれば満足度は相当上がるはず。次回のセットアップが楽しみです。

ローダウンとパッケージ（ご提案の目安）

• LTD.S（走りのカスタム）：前後姿勢と減衰で扱いやすさ最優先。下げ幅は副次（〜−10〜20mm）。
• LTD（実用ローダウン）：−20〜30mm帯で足つき×走りの現実解。
• LGN（大幅ローダウン）：設計を組み替えても“走る”を確保。〜−80mm（※ストローク/地上高で現車判定）。

注：サスペンションストローク／最低地上高からの理論上の上限として最大−80mmも可能性あり。安全・法規・干渉を踏まえ現車で上限設定を行います。

CTA（ご相談ください）

• **身長・体重・主用途（街乗り／林道／ツーリング距離）**をお知らせください。
  → 推奨プラン（LTD.S / LTD / LGN）・概算・最短納期をご返信します。
• TEL：090-3316-5306　LINE：@llv7594i　フォーム：https://sgfacendo.com/contact
• 備考：電子制御搭載車は施工後キャリブレーション／エラー履歴確認／配線応力点検まで実施。
  メーカー保証の扱いは販売店・ディーラー判断のため、事前確認をおすすめします。