BMW S1000RRのフロントフォーク
写真はBMW S1000RRの為に製作した、高速側・コンプレッションアジャスターです。ぱっと見は判りませんが、純正ではただ細い環状通路にニードルの出し入れで減衰を調整します。そのため、短時間にフロントフォークが大きく作動する場合には、過減衰に陥りやすく、メーカーのベースセットはかなり妥協した状態です。
その過減衰になる部分を制御するためには色々な方法がありますが、ピストンとシムを使う古典的な手法で解決しました。実はFGやオーリンズのリアサスの圧側調整(コンプレッションアジャスター)には、最初からこの方法が使用されており、VTR1000SP1やGSX-R1000のK7以降のフロントにも用いられています。
S1000RRは特にフロントフォークの初期セットに問題を抱えており、サーキット走行では不満点として代表的かと存じます。それをスプリングとメインピストンで減衰をしっかり演出し、高速域のストロークでも問題が出ないようにするのがこのピストンキットです。
とは言うものの高コストが問題となり、筑波選手権で走る泉沢様用に1セット作っただけで終わりとなりました。欲しい方がいらっしゃれば再生産いたしますが、この部品だけで7~8万円。さらにメインピストン、スプリングを変えなければ最良の状態にはならないので、推奨していません。
宣伝ですが、FGから販売しているPressione Zeroと言う名のカートリッジキットは非常に使い勝手の良い品なので、そちらの方が短時間でより良いセットを出せると思います。