BMW S1000RRのローダウン完成
スーパースポーツにおいても、割合と人気のあるBMW・S1000RRのローダウンが完成しました。
シート高で50mm下げるのを希望されており、これまでに何度も行ってきましたから特段の問題もなく作業を終えました。この5年位はローダウンを数多く手掛けるようになったおかげで、手法は手慣れたし仕上がりも徐々に向上しています。ローダウンで難しいと感じているのはフロントです。
リアショックは案外と下げても問題が起こりづらいのですが、フロントはもともとストロークが大きく、車高を下げる=ストローク量を削る訳で、減速や大きな段差を乗り越える時に不快な動きを感じさせます。それを最小限にするため極力ストロークは削りたくない。そこでこれまでとは違った手法を考案し(といっても大した事はありませんが)、少しでも乗り心地と走安を向上させました。
実は此の車両の前に完成したGSX-S750とVFR800Fも同じ手法を用いて、フロントの動きを演出しています。
50mmも下げると当然、差し引きされた問題点も露見します。それでもバイクに安心して乗りたいお客様の希望に添えるよう、そして造り手として最大限乗り心地を担保できるように、新たな手法を日々模索しています。
50mmは少々きついのですが、それでも純正で疑問に感じた部分をローダウンに伴うバネや減衰特性の変更を逆手にとって、乗り心地を向上させられます。特にシート高で20mm程度の下げ幅なら明らかに良く出来ます。今後もローダウンしても純正より向上させるためその手段を模索してゆきたいと思います。