温故知新BPF

 温故知新と言うには新しすぎるきらいもありますが、BPFを仕様変更しています。

 BPFはビッグピストンフロントフォークの略です。何がビッグピストンなのかと言えば、旧来の20mmや25mmのピストンではなく40mm近い大径ピストンがその名前の由来となっています。

 ピストンが大きのは良いのですが、ダイアル調整に関わる部分やシムの組み方が、メーカー自身も理解し切れていなかったのではないかと、私はそのように感じています。問題点が多く十年も経たずにSHOWAはSFFと呼ばれる新機構に移ってゆきました。

 しかしフルアジャスタブルを名乗るには、片側にスプリング調整、反対に減衰調整を設ければよく、しかもトップキャップ に全てが集約し、アクスルブラケット部分の作りが簡素になるBPFは費用面でかなり優位なのではないかと推測します。そのため、近年のネイキッドや600ccクラスのフロントにはCB1000Rと同様の片方減衰調整、片方スプリング調整のBPFが重宝されているようです。

 今年はCB1000RとZX-10RでBPFを何度も触るうちに、その問題点と改良点が見えてきました。そうなると意外に使えるなと思えるようになり、お客様への提案も自然と自信を持って勧められるようになります。

 写真のCB1000Rは2月に仕様変更を行いました。その時点ではかなり満足できたはずなのに、この9ヶ月間で多くの経験を積み、更に上のバランス感を発見した今となっては、少々物足りない感じがしていました。
 そこでお客様には金銭面の負担を強いるのは覚悟していましたが、改良の提案をし了承を得られたので減衰特性の変更を進めました。

 前回のシム組をPCに入力し、それを眺めつつ新たな仕様を模索しましたが、割合サクッと方向性を決められました。実際に車両に取り付けた時の動きと、シム組、ダイアルの値を読み解きながら、照準を定めます(今時の表現ではフォーカスするとでも申しましょうか)。

 ここから先は車体に取り付けての実走セッティングへと移行します。天気が不順ですが、明日はなんとか持ち堪えそうなので、十分に走り込みを行うつもりです。

 

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