トヨタC-HRに試乗

 土曜日の夜はアルバイトの矢作と梅山に誘われ、トヨタのC-HRに乗ってきました。

 最初に矢作が運転し、次いで梅山、私の順です。各人で運転の違いと確認するポイントが違う事にも面白みを覚えましたが、車の動きにも注意すべき点がいくつかありました。

 試乗車はハイブリッドの二駆でした。私は先ずリアシートに座りそのあと運転席へ移動しました。後ろに乗っている限りはそれほど不快感は有りませんでしたが、見た目重視(あえてデザイン重視とは言いません)のため、後席の窓ガラスの小ささからくる圧迫感からは逃れられませんでした。シートの座り心地も十分で、悪い気はしません。逆にリアに関してはそれ以上の感想は有りませんでした。

 運転を替わり、自分で走らせるとやはり気付く事が多くありました。初めてのハイブリッドでしたが、0スタートからのアクセルに対する反応は極めて穏やかで、換言すればアクセル操作に対し鈍感でした。これは渋滞などのつかれている状況では有益だと思います。 

 次にブレーキは試乗した3人ともが、踏み代が少なくやや神経質だと感じました。私は小さなストロークながらコントローラブルだと感じて、交換を持ちました。穏やかなアクセルとやや唐突なブレーキは、渋滞などで急発進を抑制し、急ブレーキに対応するためなのではないか、と私は推測します。だとすれば、事故を起こさない事がかなり優先順位の上位に来るのでしょう。

 直線路で遊びを殺しながらハンドルを左右に回し、車体を左右に振りました。そこで右へ切ると敏感に反応するのに、左はその逆でした。これはブッシュの問題なのかステアリングラックやドライブシャフトの長さなどが違うためかは、私には判断が付きませんでしたが、致命的な問題だと思います。個体なのが、C-HRの全体としての問題なのか私には判断がつきません。

 30~40Km/hからブレーキを踏み、車のピッチンセンタを探りましたが、ホイールベースの中間あたりにありそうで、前席においては、丁度着座位置になる様で、不快感は感じませんでした。後席の二人はピッチの大きさに不満を述べていました。これはリアが伸びすぎるのだと思います。後ろに人が乗っていなければより顕著になるはずですが、今回の試乗では解明できませんでした。ちょっとしたギャップや交差点での車体の動きからホイールベースは2600mm辺りだと読んだのですが、実際は2640mmがカタログ値でした。プリウスを基にした車なので、このホイールベースと車高を、このサスペンションで動かすには少々安定性に欠けると感じます。試乗コースからディーラーの駐車場へ入る際に、他車が居ないのを確認したうえで、少し急ハンドルを切りました。ロールよりもヨーが先に出る感じはフェラーリ456GTと共通する部分ですが、冷静になったいま分析すると、問題点も内包しているかもしれません。ただ、低速での試乗では車の全ては感じ取ることが出来なかったため、謎のままです。

 知人が「とてもツルっとした乗り味の車」と評していましたが、そこの部分は「なるほど」と理解できました。この様なサスペンションの動きは私には考えが及びませんでした。新しい価値観の提示をしてもらえた点では、とても有益な時間を過ごせました。ピラーの位置も適切に思いますし、車としてしっかりしている部分も理解できました。

 しかし、午前中に乗った911カレラ2と比較すると、車に乗っている感じが非常に希薄で、面白みのない車に思えます。

 試乗した矢作、梅山、私らの3人ともバイク好きで車好きな人間からすると、もっと現実感のある乗り味が欲しいと思います。しかし、これが現代の乗用車かと思えば、今を知ることが出来たのは良かったです。ただし、セイクレッドグランドとして車両パッケージを考えるならば、フェッラーリやポルシェの方が王道であり、私どもが求める物に近いと感じています。

 

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