CBR1000RR-R SPを“難しい”から“楽しい”へ:シート高775mmでも“走れる”のか?実走で検証
CBR1000RR-R SC82(SP)|シート高775mmのローダウンは走りに向いているのか?実走検証
まずはシート高775mm時の足つきは動画をご覧ください(掲載予定)。
今回はLGN.S(スポーツ寄りローダウン)+シート加工でSTD 830→775mmまで下げつつ、走り優先の改修を行いました。結論から言えば——**「純正より明らかに面白く、十分に走れる」**仕上がりになりました。
1. SP(Öhlins)で感じていた“解消したい点”
私見として、SC82のSPはとっつきにくい=“難しい”印象が強い車両です。ただしポジションの見直しで化けることも経験的に分かっていました。そこで今回は、スポーツ走行(峠/サーキット)を前提に、以下を中心に改修しています。
ハンドル(開き過ぎ&遠い)
- 純正は一文字気味に開いて遠い。165cmの私だけでなく180cm超のライダーからも同様の声がありました。
- **干渉しない範囲まで“絞り”**を加えることで、腕が自然にハンドルへ。小指側が反り上がるような違和感が解消され、繊細な入力がしやすくなります。
※この“開き”の思想背景は推測に留めます(開発・テストライダー由来の可能性はありますが、あくまで想像です)。
変更後のシート形状。かなり薄いが意外とお尻は痛くなりませんでした。
シート(高い+後端のせり上がり)
- 座面が高く、後端のせり上がりでポジションが固定されやすい。
- 減速時にお尻を素早く後ろへ引きにくいため、二段動作になりがち。
- 対策:高さを**−10mm**、後端をフラット化。これで減速〜旋回移行の体重移動が自然になりました。
- 座面はCB系より面接触が広いため面圧は低め。クッションは硬めなので長距離は休憩推奨です。
シート加工後の動き
2. サスペンションで感じた素性と改善方針
フロント:ややレート過多(用途依存)
- 使えない硬さではありませんが、街乗りには過剰。
- つくばの本コースや一部のショートコースなら「好み次第で使う人もいるレベル」ですが、調整や小改良で動きを出すのが無難。仕様変更を推奨します。
リア:明確に硬い
- 体重80kg以上でやっと動く印象。街乗り/一般走行では明らかに硬め。
- バネレートを下げる交換を強く推奨。動き出し〜中立までの追随性が改善し、接地感の立ち上がりが分かりやすくなります。
仕様変更後の前後ショックの動き 電源オン状態
3. 775mmローダウンは“走りに向く”のか?
結論:向きます。理由は“ストロークを削らずに下げられる”から。
CBRは純正で車高調整機構を持ち、フロント突き出し/リア車高で姿勢(ジオメトリ)を調整可能。
今回はLGN.S+座面−10mmに加え、スプリングレートの適正化で空車1G/乗車1Gともに自然と車高が下がる方向へ。
要は、ローダウン“狙い”でなく走りを詰めた結果として下がる——このプロセスが、**“下げても走れる”**を担保します。
- バンク角が必要なステージに合わせたい場合は、突き出し/リア車高ですぐ戻せる(上げられる)のもSP車の強み。
- JSB/ST1000の極端なバンク角を要求する運用には今回の仕様は不向きですが、街乗り〜峠〜スポーツ走行、そして一般的な走行会なら、十分に楽しめる設定です。
4. まとめ(総論)
- シート高775mmまで下げた**SC82(SP/Öhlins)**は、純正より明らかに楽しいバイクに変わりました。
- ハンドル絞り+シート後端のフラット化で荷重移動が俊敏になり、前後のスプリング適正化で接地感の立ち上がりと収束が向上。
- 「ツーリングがつらい」「かっこいいが楽しめない」と感じている方ほど、効果を体感できるはずです。
5. 補足(実務メモ)
- サイドスタンド加工:必須(今回の仕様ではカット済み/駐車安定角を最適化)。
- 車検:灯火・反射板・干渉など法規に抵触しない範囲で実施。
- 電子制御:エラー表示なし(当社では同系作業の実績多数)。
- メーカー保証:取り扱い店・ディーラーで対応が異なります。必ずご購入店(取引店)へ事前確認ください。
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