CBR1000RRの前後サス、オーバーホール
日曜日に受注したCBR1000RRの、前後ダンパーのホーバーホールを行いました。
リアはオーリンズに交換してあり、ばね定数も悪くないのですが、内部の設定が使用目的と合わないので、ガス圧力も含め少変更を施し、ローダウンリンクとダンパーの車高調整を駆使して、一人乗り専用機として再出発です。
フロントは完全な純正なのですが、最初からトップアウトスプリングの入る、なかなかお金の掛かったフロントフォークです。イニシャルアジャスターも954辺りから採用が始まった、空気室(エアボリューム)の変化を起こさないトップキャップを用い、安定した性能を発揮します。ですが、いくつか気になる点がありまして、イニシャルを最強付近までかけないと内部でばねが遊んでしまい、初期荷重不足からくる実ストロークの減少が見られます。トップアウトスプリングの定数もやや高く、乗り味を優先したのではなくウィリー状態でフォークが伸びきらないように配慮しているように思います。この設定は929、954で際立っています。VTR1000RRでも採用しているので、乗り心地が悪い場合はばね等を柔らかくするのではなく、プリロードをかなり掛け突き出しを3~5mmほど多くすれば、柔らかく懐の深いフロントフォークの雰囲気を演出できます。
ZX-12Rとハヤブサも似たようなフロントフォークの設定なので、乗り味が気になる方はご連絡ください。
1000RRのフロントフォークの減衰はかなりしっかり掛かっていますが、絶対値ではなくストローク速度域ごとのメリハリを出す為に、シム組みを変更しオイルロックピースにも簡単な加工を施し有効ストロークを確保しています。
前後サスを車体ごと預かりメンテナンスを依頼いただくと、実車での細やかな調整が可能ですから、お客様の満足度もより高くなり作業者としても嬉しい限りです。
作業代金は、税抜き¥118,244でした。