Ferrari F430のショックアブソーバーに回数制限ナシのO/H手法を開発!

Ferrari F430のZF Sachsダンパーに回数制限ナシのO/H手法を開発!

■ 1. なぜFerrari F430のZF Sachsは“O/H不可能”とされていたのか?

フェラーリのF430には、ZF Sachs製の電子制御ダンパーが採用されています。しかし、純正の特殊な設計ゆえに「オーバーホールはできない」と長らく言われてきました。その理由は、大きく分けて以下の通りです。

  1. 非常に特殊なオイルシール
    一般的に入手困難で、メーカーからの供給もないため、純正ダンパーがオイル漏れを起こすとショックごと交換が前提とされていた。

  2. 精密な電子制御部品
    ダンパー内部には電制の基幹部が組み込まれており、分解には高度な知識と専用設備が必要。また、洗浄・組み戻しの手順を誤ると機能を完全に喪失してしまう。

  3. 高度な微細加工
    ロッドガイドやガイドブッシュなどの部品は加工精度が極めて高く、単純な作り直しが困難。部品を壊せばダンパー全体が使い物にならなくなるリスクが大きかった。

これらの要因が組み合わさり、純正新品に置き換える以外の選択肢がほぼ存在しない状況でした。しかし、高額な新品ダンパーをアッセンブリー交換するのは大きな負担となります。


■ 2. 回数制限をなくす特別なO/H手法が完成

そんな中、弊社では長年の研究・試行錯誤を経て、Ferrari F430のZF Sachsダンパーを“回数制限ナシ”でオーバーホール可能にする手法を開発しました。そのポイントは下記の通りです。

  1. 独自ルートで入手・開発した日本製オイルシール
    耐久性が非常に高く、すでに他のハイエンドサスペンションで実績のあるシールを採用。純正の特殊形状シールに匹敵するフィット感と密封性を確保しました。

  2. 電制基幹部の徹底洗浄・検査
    作業前後で電制部品を丁寧に洗浄し、接点の状態やカプラー部の劣化具合を入念にチェック。万が一の再O/H時にもリカバリーが可能となる組み立て手順を確立。

  3. ロッドガイドやガイドブッシュを新品交換+高度洗浄
    ロッドガイドのような精密加工部品は、自社で作り直すのが難しい反面、まだ再使用が可能な場合は特殊溶剤を使って入念に洗浄し、損耗度合いを厳密に判定。必要があれば新品へ交換し、O/Hの回数制限を取り払う下地を整備。

▲ O/Hの回数制限とは?

一般的にメーカー純正の設計では、O/Hを想定しておらず、無理やり分解・組み付けをすると精度が損なわれて1~2回で部品が終わることも珍しくありません。今回の手法では、**“何度でも再メンテナンスできる”**をコンセプトに設計・実装を行っているため、大幅なコスト削減と寿命延長が望めます。


■ 3. 新品交換よりも大幅に安価でO/Hが可能

Ferrari F430用ZF Sachsダンパーを新品に交換する場合、一般的に非常に高額な費用がかかるとされています。

しかし、弊社独自のO/H技術を利用すれば、新品交換に比べて大幅にコストを抑えることが可能です。

具体的な見積もりについては、取り扱いのあるディーラーや修理工場を通じてご確認ください(エンドユーザー様からの直接依頼は承っておりません)。


■ 4. オイルシールを“日本製”にこだわる理由

弊社が採用しているオイルシールは、日本のトップレベルメーカー製です。世界的に見ても品質・耐久性に定評があり、国内外のカスタムビルダーやレースチームがこぞって採用するブランドとして知られています。

  • 高温下での性能維持
    エンジンルーム周辺に位置するフェラーリのダンパーは高温になりやすく、安価なシールだと耐熱性が不足してオイル漏れのリスクが増大します。

  • 粉塵混入への強さ
    サーキット走行やスポーツ走行で砂利・ダストなどがダンパーに付着すると、シールの摩耗が激しくなります。日本製シールは摩耗性に優れ、長寿命を実現。

オーバーホールの回数制限をなくすためにも、“シールの耐久性”は極めて重要です。この観点からも日本製を選ぶ意義は大きいと言えます。


■ 5. お問い合わせから納期までの流れ

  1. 整備工場や販売店へご依頼
    弊社ではエンドユーザー様からの直接発注は承っておりません。まずは信頼できる整備工場や販売店へご相談ください。

  2. 作業内容の確認・見積もり
    車両の走行距離や使用状況に応じて交換部品や補修の範囲が変わるため、詳細をヒアリングします。

  3. ダンパー送付・分解検査
    状態把握のうえ、オーバーホールの可否や追加修理の必要性を判断。

  4. 作業着手(通常20営業日程度)
    特殊シールの組込みや電制部の分解洗浄、組み付け後のテスト走行などを含みます。

  5. 納車・アフターフォロー
    お車にダンパーを装着し、最終チェックを行って完了。走行テストで不具合があれば調整いたします。


■ 6. 安心の“電制基幹部”徹底洗浄・点検

ZF Sachsの電子制御ダンパーは、内部が非常に繊細な構造で、一度でも水や汚れが混入すると取り返しのつかない故障を引き起こす危険性があります。そのため弊社では、カプラーやセンサー部を含めた電制基幹部の洗浄を入念に実施しています。

また、組み付け時にはハーネス・カプラーの劣化チェックや、プラスチック部分のクリーニングも徹底。フェラーリ特有の熱対策も考慮しながら、厳密なトルク管理と専用ツールでの締め付けを行うことで、電制系のトラブルを最小限に抑えます。


■ 7. まとめ:フェラーリの純正ショックを“再利用”して長く乗る時代へ

Ferrari F430のZF Sachsダンパーは、新品アッセンブリー交換が当たり前という時代が長く続いてきました。しかし、今回の回数制限ナシのO/H手法によって、

  • コストを大幅に抑えられる

  • 純正状態を保ちながら何度も再メンテ可能

  • 環境負荷も軽減

といった多くのメリットが得られるようになりました。フェラーリのようなハイエンドスポーツカーを維持する上で、メンテナンス性の向上はオーナーにとって非常に大きな価値です。


■ お問い合わせ

  • 作業内容や導入方法についてのご質問

  • 納期・価格の詳細見積もり

  • 車両個体差の相談(過去修理歴がある場合など)

何でもお気軽にお問い合わせください。エンドユーザー様は、かかりつけの整備工場や販売店を通じてご相談いただければスムーズです。詳しいフローや費用については、担当スタッフが丁寧にご案内いたします。

今後も弊社は、フェラーリだけでなく様々なハイパフォーマンスカーのサスペンション研究・オーバーホール技術を追求し、オーナーの皆様が愛車を長く楽しめる環境づくりをサポートしてまいります。

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