GSX-R1000Rのフロントフォーク
表題の車種はSHOWAのBFFフロントフォークを採用しています。
バネ定数を測りましたら1.05kgf/mmでした。一般道を走るにはかなり硬い値なのですが、トップアウトスプリング、減衰の強さ等をどの様に組み合わせるかで動きはかわりますから、何か一つの指標だけでは判断できません。GSX-Rは街乗りの経験がありませんが一般の評判はとても高い様です。
ZX-10Rのフロントフォーク改造経験をもとに話をすると、GSX-Rも街乗りと峠だけなら1kgf/mm前後(0.95〜1.025)あたりが良さそうに感じました。先述の減衰、トップアウトなどの組み合わせを考慮に入れての話です。そうすれば動き出しのメリハリと、ストロークしていった奥の反力が上手に帳尻が合うはずです。
他に気になった点はガスの圧力です。このフロントフォークはリザーブタンクがありガスで加圧する「気液分離型」です。この様な作りはガスの圧力が下がると正常に機能しません。どうも動きが重ったるいのでガス圧力を調べましたら、2Bar(2K)ほどです。そこで6Barほど入れたら動きが軽やかになりとても好感触でした。
皆さんが考えるO/Hでは消耗品の交換程度となってしまうのですが、その理由は減衰力を発生する機構とスプリングやオイルシールを潤滑する部分が分離されているからです。そういう事情からフォークシールを交換しただけではフロントフォークの動きは元に戻りません。
完全分解してO/Hは当方の価格で10万円程度はかかります。最新機構は乗り味や性能は極めて高いものがありますけれども、しかしながらO/H工賃は高くついてしまうのです。複雑な機構はその分だけ工数が増えますからその様な結果となります。
スプリング交換、減衰設定の変更、操舵性を好みに仕上げるなど興味がありましたら問い合わせいただければ対応いたします。