KAWASAKI Z1 B 1975年型
1. 導入:Z1/Z2純正KYBのオーバーホール、外観重視でも性能アップ
カワサキの往年の名車「Z1」「Z2」。その純正リアショックはKYB製で、外観からして“古き良き”ムードを醸し出します。しかし、数十年の年月を経てオーバーホール(O/H)やメッキ、塗装を必要としている場合がほとんど。そこで当社が注力しているのが、純正の見た目を保ちながらも内部を最新の技術でアップデートするオーバーホールサービスです。
今回ご紹介する作業は、1975年型Z1 B型 オーナー様からのご依頼。お客様が当社ブログを見つけ、「外観の仕上がりも含め、満足度が高そう」と感じてくださり、オーバーホールのご注文をいただきました。
2. ストーリー:独自手法で何度でもO/H可能に
実は当社では2019年に日本で初めて、商業ベースとして「カシメ式のリアショックを再利用不可のはずが再利用できるようにする」手法を確立しています。通常、カシメ部位を一度外すと元に戻せないとされていましたが、試行錯誤の末、新しい組み立て方法を開発することで、Z1/Z2の純正ショックを繰り返しO/Hできるようになりました。
それ以降、古い車両でも当時の純正外観を維持しつつ、内部をリフレッシュできることが広く知られるようになり、多くのZ系オーナー様が「このままの姿で、走行性能は上げたい」という要望をかなえています。
3. 作業概要:フルレストア+内部アップデート
3.1. メッキ・塗装
今回のZ1 B用ショックでは「外観の綺麗さ」にこだわりたいとのご要望があり、フルレストア対応を実施。メッキ業者も一部変更することで質の向上を図り、以前よりも仕上がりの光沢感や耐久性がアップしました。鮮やかなメッキ仕上げときめ細かい塗装により、見た目は当時の純正を思い起こさせながらも、新品以上の美しさを狙っています。
3.2. 内部のアップデート
- ダンパー構造:純正よりやや上質な減衰特性を得るため、ベアリングの追加に加えオイルを最上級のHirokoを採用。
- 組立手法:再利用不可と言われていたカシメ部位を独自方式で組み直し、将来的なO/Hにも対応可能に。
4. お客様の評価
作業完了後にお客様より大変嬉しいコメントをいただきました。原文を抜粋してご紹介します:
「新保さん
この度はお世話になりました。先ほど交換作業を終え、少し走ってきました。当たり前なのですが、全然違います。センタースタンドを外してリアタイヤが接地した瞬間に、おおっと! とその違いに驚きました。
まだ近所を一回りしかしていませんが、明らかに全体の挙動が変わりました。素晴らしい変化です。土曜日から北陸ツーリングで雨の予報ですが、長距離を走るのが楽しみです。この技術を開発してくださり本当にありがとうございました。」
走り始めの“タイヤが地面に着く感触”からすでに違いを感じられたということで、純正らしさを損なわずに乗り味を向上させる狙いがしっかり伝わったようです。ツーリングでの長距離走行でも、このアップデートがプラスに働くことを私どもも願っています。
5. 費用・納期:質を重視したフルレストアプラン
- 価格:税込¥386,870(2025年5月現在。予告なく変更の可能性あり)
- メッキ・塗装・内部部品交換・組付け工賃などを含む
- 納期:8~12週程度
- 外注メッキ・塗装工程などの状況により、変動があります
確かに一般的なサスO/Hと比べると高額ですが、Z1/Z2のように価値ある旧車の場合、この仕上がりとパフォーマンスアップに対し“満足度が高い”と評価していただけるケースが多いです。なお、昨今のコストプッシュインフレに伴い、メッキ代や部品の原材料費が高騰しているため、依頼タイミング次第では価格が上振れする可能性もございます。ご了承ください。
6. まとめ:古き良き車両を“そのまま”楽しむために
Z1やZ2は、“当時の純正スタイルを崩さずに走りを良くする”という醍醐味があります。しかし、長年放置されたショックは外観も内部も劣化が進んでいるもの。そこで当社が開発したカシメ再利用手法により、純正KYBショックを再度蘇らせることが可能になりました。
今回のようにフルレストア&内部アップデートを行えば、美しさと性能が両立し、オーナー様にも「新車に乗り換えたような感覚」を味わっていただけるでしょう。
抜き取った古いオイルは、真っ黒に変色していました。
ご相談・お問い合わせ(CTA)
もしZ1/Z2のリアショック(または他旧車の純正ショック)で同様のご要望がありましたら、ぜひご相談ください。下記のいずれかの方法でお問い合わせいただけます。
- 電話:090-3316-5306
- 問い合わせフォーム:https://sgfacendo.com/contact/
- LINE:@llv7594i
お客様の大切な旧車を、現代の道路環境に適合させながら外観を損なわない方法で蘇らせる。それが私たちの目指す「古き良き時代をそのまま楽しむ」ためのサスO/Hコンセプトです。お気軽にご連絡ください。