KYBツインショック ZRX1100R

 今回はZRX1100Rを例に上げ、KYBツインショックを説明します。

 車種による基本構造の違いはなく、車種別のバネ定数、自由長、減衰設定などが違う程度です。

 KYBツインショックの基本構造はシリンダ内径36mm、ロッド径12.5mm(これはKONIなど1/2インチロッドを模したと考えています)で80年代から現代まで続く一般的な寸法です。

 減衰調整がついているモデルではロッド中心が空洞になるために、12.5mm程度の太さが無いと合成が確保出来ないのでしょう。オーリンズは調整なしの場合で12mmというロッドが存在します。

 減衰調整の仕組み

 ニードルジェットとジェットニードルによる環状隙間調整ではなく、固定された穴を選択する用になっています。そのため伸びも厚も4段階の調整だけになっています。

 リザーブタンクの内部

 オイルとガスを分ける部品が入っています。大量生産の品は主にブラダと呼ばれる風船のような部品を用い、社外品はフリーピストンが主になります。

 その理由は組み込んで終わりのブラダと位置出しが必要となるフリーピストンでは組立時間が異なります。

 初期投資が必要なブラダと、単価は高くなるが少量から生産可能なフリーピストン。そして性能に対する製造メーカーの立ち位置が見えてきます。

 バンプラバー

 ウレタンとゴムに二種に大別出来ます。

 前者は紫外線等がもたらす経年劣化でボロボロと崩れてなくなります。それだけでなく使い込んでゆくと削れてゆく場合もあります。

 後者は交換頻度は高く無いものの、オイルに弱い製品では、オイル漏れにより大きく膨れ上がる場合がほとんどです。そうなると交換となりました。

 バンプラバーはアスファルトの上を走る車両において、使われる自体は想定されず緊急回避的な意味街が多いようです。

 反してオフロード車両ではジャンプ着地後のフルボトムでその役割が期待されており、頻繁に交換が求められます。

 ピストンリング

 SHOWAのツインショックでは基本、ピストンリングが交換出来ないのですが、KYBツインショックをは交換前提です。これは助かります。ただし材質は両メーカーで大きく異なっており金属表面にコーティングを施すKYBの品では、摩耗により地金が露出してくると相対する部品への攻撃性が高まります。

 テフロンなどで出来た品は(私の感覚では)動きがメタル型に対してやや劣るものの、耐久性が高いのが利点に感じます。

 といったところで、今回の記事はこれまで。それでは、また次回。

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