車両運動、M3

 先日、ある企画動画を観て考えた事があります。

 数台の車でタイムアタックとバトル、最近のはやりではデュエルとでも申しましょうか、狭い峠道の様なコースで走らせていました。4台いる中でBMWのE92・M3が一番遅かったのですが、BMW好きとしては歯がゆい思いがします。しかし、その原因は一体何だろうと考えると、これはホイールベースではないかと思いました。M3は2720mmで、他の車両は200~300mmも短いのが目につきます。86は2570mm、FDは2420mm、S2000はなんと2400mmです。ドイツ車のM3は高速域での直進安定性を出そうとすれば、自ずとホイールベースが長くなるのでしょう。もちろんホイールベースだけですべてが決まったと、知っ高ぶるつもりは有りませんが、一番違う点を考えると、そこに行き着きました。ホイールベースが短くなれば、そのまま車格も小さくなり、詰まり重量も軽くなります。軽い難しさもありますが、速さを競う場合の重量は大きな要素です。

 ビッグバイクでショートコースを走るとその旋回性が歯痒く感じ、ショートホイールベースのミニバイクの旋回性には驚かされます。二輪も四輪も車格に見合ったステージがあり、コースの枠、車の枠を技術で追い越すのはかなりの試練ですが、それを達成すれば、大きな飛躍を果たすことになるので、M3を推して出たお店さんには期待しています。

 ロングホイールベースの車両を改善する手法は、あるにはあるのですが、別の大きな問題が起こるために明らかなトレードオフとなり、選択するかどうかは作り手次第です。

 ここまで考え、車両運動とはジオメトリーの枠の中でしか動かせないと気付きます。ジオメトリーという枠、箱の寸法は変えられないので、箱の中でどれだけ枠いっぱいに面積を取り、上に積み上げられるかが大切になりそうです。

 

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