MT-01 リアショックO/Hから判明!ステムベアリング摩耗の症状と対策
タイトル:MT-01 リアショックO/Hから判明!ステムベアリング摩耗の症状と対策
1. YAMAHA MT-01 リアショック O/H & セッティング依頼
YAMAHAの大排気量ネイキッド「MT-01」のリアショックをオーバーホール(以下 O/H)し、スプリング交換とセットアップ変更をご依頼いただきました。実は当社がYouTubeで同車種のセッティング動画を公開しており、それをきっかけに興味を持たれたオーナー様が「走りの質をもっと高めたい」とご相談。アドバイスを重ねる中で、以下の作業プランが決定した次第です。
2. ストーリー:YouTubeからのご縁 → O/H & セッティング相談
MT-01はその独特の大排気量エンジンと重厚感ある車体が魅力ですが、「足回りの調整次第でもっと楽しく走れるのでは?」と考えるオーナー様が増えています。今回のお客様も、YouTubeで当社が紹介していたMT-01のセッティングや仕上がり事例を見つけ、「自分の車両でも同じように乗り味を向上させたい」とお問い合わせいただきました。
事前の相談で、以下の要望が判明:
- すでに別途購入済みのリアショックをO/H & スプリング交換したい
- 車両側に取り付けてから、実車で最適なセッティングを出したい
- リアタイヤも交換時期なので合わせて作業してほしい
こうして「リアショックの組み込み → 車体入庫でセッティング → リアタイヤ交換」という一連の流れが固まったわけです。
3. 作業内容
3.1. リアショックのO/Hとスプリング交換
オーナー様が別途用意されていたリアショックを当社で分解・洗浄し、内部の消耗部品をリフレッシュ。同時にオーナー様の体重や走行環境に合わせ、スプリング交換も行いました。
スプリングの自由長が変わるため、組付けには変換カラーを一品物として製作。微妙な寸法合わせが必要で、製作には少し苦労しましたが問題なく完了しています。
加えて、リアショックを車体に取り付ける段階で取り外しのカラーが固着しており、脱着に手間取りましたが、最終的には無事交換できました。車齢や走行距離が多い大型車両では、こうした固着が起きることも珍しくありません。
カラー固着の当該箇所
3.2. リアタイヤ交換
納車時に確認するとリアタイヤが摩耗限界近くまで使われており、前後タイヤのバランスを崩している状況でした。
そこでオーナー様と相談の上、ミシュラン Road5 (180/55)を選択。フロントタイヤに合わせる形でリアも新品にし、安定感とグリップ力を高める方向に。スポーツ性能とツーリング性能の両立を狙える銘柄です。
4. 試乗で判明したフロント周りの異常
セッティングを行うにあたって、私は**「極端なセットを試乗して問題点を洗い出す」という手法をとることがあります。今回もリアショックは最弱の伸び・圧減衰かつ、新品スプリングの挙動を確認するため初期状態で走り出しました。
すると走り出し直後から強烈な違和感が。低速なのに真っすぐ走るだけでも不安定で、「これはリアではなくフロント側の異常だ」と直感。フロントタイヤが変摩耗しているのでは?と疑いつつ、停車状態でハンドルを切ってみると、「ステムベアリングの段付き」も確認できました。
当初は極端に“前下がり”なセッティングのためフロントに荷重が集中し、タイヤやステムの不良をさらに顕在化させていたようです。実際にリアのプリロードを増やし、前後バランスを一般的な状態に合わせると、ずいぶん症状は緩和されました。しかし段付き自体は解消されないため、やはりステムベアリングの交換**が必要と判断。今後、部品を手配し、再度作業を進める流れとなりました。
5. 興味深いポイント:セッティングと車体不具合の関係
今回の事例では、「セッティングがちぐはぐだった状態」で試乗した際、車体の抱えていた問題(ステムベアリングの段付き)が強調されました。一方、セッティングを合わせ込むとその問題が大幅に緩和するという、面白い現象も確認できています。
ライダーが“慣れ”で乗り続けていると、段付きステムや変摩耗タイヤに気づかず走行し、大きな事故につながる恐れもあるでしょう。定期的に足回りを見直し、プロの視点で点検することの重要性を再認識したケースでした。特にMT-01のような大型車両は車重も重く、足回りへの負担が増しやすいので尚更です。
セッティングの様子を一部、動画でご覧ください。後日長編を製作したらYou Tubeとブログにしますので、期待してお待ちください。
6. 今後の予定:ステムベアリング交換と完成報告
オーナー様へ状況を報告し、ステムベアリング交換の必要性について了承いただいたので、現在は交換部品を取り寄せ中です。準備が整い次第、再度入庫して施工する予定。作業が完了すれば、改めてブログや動画で仕上がりレポートを行いますので、楽しみにお待ちください。リアショックとステム問題が解決すれば、MT-01がさらに快適かつパワフルに走れるマシンとなるはずです。
7. CTA:お問い合わせ・ご相談
「MT-01や他車種のサス調整・O/H、ローダウンなども対応しています!」
何か気になることがありましたら、ぜひ当社へご相談ください。サスペンション専門スタッフが親身に対応いたします。
- 電話:090-3316-5306
- 問い合わせフォーム:https://sgfacendo.com/contact/
- LINE:@llv7594i
走りや足回りの悩みを解決し、“自分にとってベストなセッティング”でバイクを存分に楽しむお手伝いをいたします。