カシメ型ダンパーNC36、ツインチューブの考察

 CB400Four・NC36のリアサスをドリーム店様から依頼頂きました。

 カシメ型は旧車のZ系やCB系を軸に、スズキやヤマハ(VマックスやSR)にも採用されています。今回はロッドを12.5mmから14mmへ交換し、耐久性と剛性を持たせました。

 圧のダンパーはベースバルブで発生し、伸びはロッドの先端にあるピストンで発生します。フロントフォークのカートリッジと全く同様の仕組みです。違いはスプリングがシステムの中にあるか、外かの違いです。構造を理解すれば減衰の変更も可能です。車などは同様の構造(ツインチューブ)に低圧ガスを入れて、現代でも当たり前のように使っています。オイルとガスを分離しないので、エアレーションと耐久性に難があるのですが、根本的に減衰が強くないので長持ちしやすいと考えられます。

 ツインチューブはFFXやTTxも同様に、外筒に求められる精度を低くできますが、インナーシリンダーには高精度を求めます。外筒には応力が掛かるので、ツインチューブにすれば理論的にはスプリングや外圧からの影響を抑えられるので、ストロークがスムーズになるのではないでしょうか。良い面もありますし、造り込めばスポーツ走行にも使えそうですが、前記のオイルとガスを分離しない構造上、持久力がないのも事実です。コニーなどは左記の問題点を抱えていますが、リザーブタンクを持つマルゾッキはツインチューブの弱点を大幅に改善した、面白いダンパーです。しかし、ツインチューブはピストン径を拡大しようとすれば、外筒は更に大型になるので、空間効率が悪くなり取り付け不可能になります。そのため高い減衰を求める場合は、シングルチューブに移行したのだと思います。FFXとTTxはバルブをシリンダーの外にした事で、ピストン径に制約が少なくなり、機能を優先できるようになっています。

 

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