NSRminiのWPを改造
正規取扱店の方には怒られるであろう改造を施しました。
NSRminiのWPですが、ストローク量を増やすため、シールヘッドを新規に製作して、ノーマルWPと比較して4mm伸ばしてあります。自由長が長くなりますが、220mm辺りを使うために4mmロングは問題になりません。
ピストン径40mmでロッド径14mmは特別な数字ではありません。しかし、他社と同じ仕組みにしたくないのか、ロッドの構造は無用に複雑です。組み立て部品が増えるほどに、精度も下がりますからあまり得策とは思えません。なぜこの様な構造になっているのかについては、一定の理解は可能ですが、他に解決方法が十分にあります。このようなWPの「無駄に複雑に造る」のは伝統なのかもしれません。90年代の製品についても、そのように感じることが多々ありました。
車高調整機能の部位も大きな問題を抱えています。車高を変えるために、その部品を回転させると、伸び減衰調整ダイアルの向きも回ってしまい、ある方向では調整が面倒になります。スプリングシートもその調整部位に影響を受けます。スプリングイニシャル調整は、P1.00なので、細かい調整が楽です。細目なので、回転させるのにも軽い力で回ります。ただ、砂利の多い場所だと、石などの噛み込みを気にしなければなりません。ゴミの噛み込みを気にして、ネジの噛みあいを緩くすると、P1.00ではバネ反力に負け、山が潰れてしまいます。
ですが良い点もあります。シリンダーのアルマイトはとても長持ちします。他社も黒いアルマイトのシリンダーを持つ製品があり、そちらはアルマイトが簡単に剥がれてしまい、早い段階で使い物にならない状態へと変わってしまいます。
ガスバルブは、FGの部品を用いて注射針を使えるようにしてあります。WPの純正形状でも封入可能な特殊工具は作っていますが、小回りが利かないための変更です。
シールヘッドは新規に造り、オイルシールを薄いFGの物に換え、ダストシールはスクレパータイプにしました。この変更で寸法に余裕ができ、スライドメタルを高さ10mmから12mmにできました。WPの純正ヘッドはオイル、ダストシールともに某社と同形状を採用しています。耐久性は十分で動きもそれほど悪くありませんが、寸法余裕がありません。今回の変更で、ダストシール(スクレパ)の耐久性は落ちましたが、動きは良くなりました。
写真のシールヘッドは2時間かからないで造れるようになりました。段取りを詰めれば、1時間かからずに作れそうです。
ダンパの完成写真は、後ほど掲載します。