CB1300SFのフロントフォーク

 以前に載せた、FGのリアサスと対をなすSC54のフロントフォークを改造しました。

 主な変更点は純正カートリッジの「伸び減衰調整」を左右「右伸び」、「左圧」に変更した点です。新たに部品を購入する必要が無いため、作業工賃だけで済みました。他に、トップアウトスプリングの採用、シングルレートへの交換と減衰特性の変更。

 メーカーの諸元表は「ダンパーストローク~mm」などと書いてありますが、実測するカタログ値程にストロークのあるダンパーは見当たりません。オーリンズのフロントフォークが評価される理由は、そこがしっかりカタログ値通りの点かも知れません。このSC54は実ストローク110mmでした。そこからオイルロックピースの30mmを除くと、有効ストロークは80mmになってしまいます。さらに乗車1Gで下がると、走行中に使えるのは60mm前後となります。こうなると乗り心地と踏ん張りの両立はかなり難しくなります。

 そこで、オイルロックピースを改造するのと同時にストロークを10mm伸ばし、足の長い仕様へと改造しました。これにより動き出しの滑らかさと深い沈み込みの安定感を出すのが容易になります。

 二輪車の旋回性能は、多くの要素が必要になります。ですが、旋回前半で大切になるのは車体前部の沈み込み量です。簡単に言えば前下がりになるほど旋回性が高まります。オイルロックピースで動きが止まると、その分だけ下がらずに曲がり難い車になってしまいます。これにはホイール径とタイア外径も大きく関係します。車体構成を固定して考えると、大径ホイールになるほど車体の全部が地面から遠ざかります。ホイール径を小さくすればその逆となり、簡単に地面へ近づけられます。

 オイルロックピースの改造は車体構成を固定した場合の、小径ホイールの採用と同等の効果があります。オーリンズのフォークも同様です。写真左の筋が入った部品が、新たに造ったロックピースです。全体の長さを短くし、螺旋の部分でロック効果を緩和させます。これにより、NSF250Rのようなレーサーと同等のストロークエンドの使い勝手を獲得できました。

 

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