筑波選手権の結果
昨日は筑波選手権の本番でした。
前日の練習走行から調子の良かった二台は、なんとか乾いた路面に合わせ、ドライセットで予選に臨みました。
梶山さんは前日の走行姿勢をもとに、車両の静的姿勢(スタティックバランス)を変え、動的姿勢(ダイナミックバランス)もほんの少し変更を加えました。外から見か印象では少し曲がりかな?と推察したのですが、ライダーの弁ではこれまでの中で一番好印象との評価でした。
このまま決勝も走りレース中に自己ベストを更新し、CBRカップのベストタイムも出したので車両もライダーも良かったみたいで一安心でした。しかし、スタートで出遅れて前走する車両に仕掛けられなかったのが少し残念でした。
ですが過去の経験からわかることですが、今いる位置を保持したままゴールするのもまた難しいことです。焦って無理をすれば転倒し、折角のポイントを逃してしまいます。この冷静さもまた、ライダーにとっては重要な要素だと思います。
田中くんは前回のレースが相当悔しかった様で、この間の努力は傍目で見ても分かる程でした。
前日の雨走行で変更したセットはフロントのイニシャルだけ変更し、予選へと臨みました。結果は総合二位のクラス一位でした。ずっと先頭を走りスリップも使わない単独走行の中で出したタイムは立派だと思います。
決勝はうまくスタートが決まり(他車が失敗したこともありますが)、レース後半までずっと先頭を保持していました。しかし、JP250の車両に追いつかれ最終周に先頭に出る場面もありましたが、結果は二位に終わりました。クラス一位だったので少しの悔しさはありますが、十分な結果だと思います。
帰り際、二度の世界チャンピオンを獲得した坂田和人さんが両ライダーに助言を下さり、このレースにおける優勝の仕方などを解説してくださいました。厳しくも若いライダーに速く強くなって欲しい気持ちが伝わる、重みのある言葉を頂戴しました。
坂田さんが言うレースに勝つ方法は重々納得したのですが、それでも一ヘア出口からダンロップアーチで仕掛け、前に出た場面は観ていてかなり興奮しました。あの場所で前に出るのはかなりの実力差がなければ出来ない芸当ですから、とても格好良く思います。
レース後の表彰台で、JP250の優勝したライダーさんの言葉は重みがありました。
全日本と日程が重なり、速いライダーが不在のため運良く優勝できたと、本人談でした。確かにライダーの力量はずば抜けて高いものではありませんでしたが、素直にそれを認め、優勝できる立ち位置に居たことを運も含めた実力だと思います。と語るその姿勢とご自身の所属するティームに対する謝辞も、本心からのものだとしっかり伝わってきました。
今回、前日練習で二台の車両姿勢を変化させ、それが両ライダーに好印象に受け止めてもらえました。監督のお父様から「新保さんのセッティングがはまりましたね」と褒めていただきましたが、その為にはライダーを支える両親と、環境を提供する56レーシングというティームがあり、そこで皆を支えるスタッフさんが動いた上で、最後の微調整で私が少しだけ助言をしたに過ぎません。
いつもいう、インフラストラクチャーという名の下部構造(チーム)が上部構造たるライダーやセッティンを支えてくれるお陰で、それらが充分に機能すると確信しています。今後も邪魔をしない様にそっと優しくティームに寄り添えるように活動してゆきます。