試乗、セッティング、新たな協力者

 概要とセッティング

 昨日は日中の天候はまずまずで、完成したMT-01の試乗を行いました。

 小野寺が簡単な試乗を行い、フロントのイニシャルが足りない事は把握していました。実際に乗ってみてもその通りでフロントのインシャルを足し、様子を見たところそれだけで問題は解決しませんでした。

 フロントのイニシャルとスプリングレートにより、乗車姿勢は大幅に改善しました。しかしながら何か物足りない。それを知るためにはいつもの試乗路にあるマンホールを超える事で理解を容易にします。このマンホールは右カーブの旋回を開始した直後にあり、大きな段差となっています。旋回中のギャップは直進時と比較しサスペンションを大きく動かします。旋回中の方がその挙動を大きく見出す訳で、車両を観察するには良いのです。

 そのギャップを超える時、リアの入りが悪く戻りが早いと感じるので、圧(COMP)を抜き(REB)を強めました。これだけで車両の大きな動き感が改善され、極めて楽しいバイクへ変貌しました。

 おおよそはこれで完成としました。十分楽しめる仕様です。空気圧を含め若干の仕様変更で終わらせようと考えていましたが、この日は試乗を行うためにTwitterでotiyuという通り名の方がお越しくださり、セッティングを任せてみました。

 彼とは3〜4年の付き合いになりますが、ご自分のCB1300SBとドカティ・パニガーレを熱心にセットアップしています。先週もDR-Z400SMのセッティングに付き合わせた際に、私の手法を学び取りそれを活かして自分のセッティング手法を昇華さていました。

 彼に任せて1時間ほどセッティングを進めた車両を、私が試乗しました。その仕上がりには目を見張るものがあります。私が本気で仕上げたのとほとんど遜色ない乗り味でした。これには驚きました。細かい点で好みの違いはありますが、それは些細な点です。他人が仕上げた車両で乗ってすぐ「これだ!」と感じられる素晴らしい感触を得られたのは初めてです。

 この仕事を始め丸16年経ちましたが、刮目すべき1日でした。

 身長とポジションについて

 私は165cmで低身長の短足。otiyuさんは190cmの高身長。これほど背が高いと足が長いのか短いのか良くわかりません。MT-01は元々足つき性が悪いとは感じませんでした。しかしハンドルの遠さは気になっていました。これはotiyuさんも同意見で、つまり身長差25cmでも遠い物は遠いと感じる様です。他にも185cmの知人と話していたら足つきが良いとか悪いとか評していました。いくら手が届いても足がついても、丁度良いポジションから遠い近いは低身長と同様に感じている様です。

 サスペンションセッティングとポジションは密接に関わっています。極端な例をもとに考えて考えてみます。丁度良いポジションからフロントフォークを50mm下げたとします。そうすればハンドルは低くなりシートは前下がりになります。これがほんの少しのセッティング変更でも実際に起こるのです。ですからサスペンションセッティングが良い方向に進むとポジションも改善される場合が多いのです。もちろんこれには前提条件があり、間違ったサスセッティングでポジションを合わせると、正しいサスセッティングではおかしなポジションになると言った訳です。

 今回は以上です。

 

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