スウィングアームの瞬間中心
先日、動画にあげたスウィングアーム回の話の続きです。
スウィングアームはピヴォットを中心に回転しているのは間違いありませんが、図面をご覧になればわかるように瞬間中心という仮想センターを持っています。
図の仮想センターである瞬間中心はかなり前方にあります。課題はスウィングアームの角度、スプロケットの大きさなどにより瞬間中心は刻々と変化しており、それにより乗り味を変化させます。
後日、話をまとめますが瞬間中心によりアンチスクワット比がスウィングアーム角度により変わることは良い面があります。
写真をご覧ください。
ACサンクチュアリ様のZレーサーです。当社も前後ショックの仕様変更で関わっていますが、中村社長と整備士鈴木さんの好意で画像の使用許可をいただきました。
線を引き上の図面は、実車においてどの程度の位置にくるのかを表しました。
瞬間中心はクランクシャフトよりも前方でやや上方にあるようです。
これから文献を精読し確認しますが、瞬間中心がクランクセンタ近くにあり、リアタイアから伸びる瞬間中心を通る(写真では黄色)線がキャスターと直角を成すと、ハンドリングやよくなるようです。
つまり、写真の車両はかなり理想的な配置を持っています。
今後はこのような車両のエンジン搭載位置(ジオメトリ)などできるだけ多くの参考例を集め、良い車両、悪い車両を見極められるように成りたいと考えております。