SGMFG 000 走行テスト
半自社製ダンパー SGMFG 000 の走行テストを桶川スポーツランドのミドルコースで行いました。
ばねはCBRドリームカップで得たデータを基に、純正ダンパーでは破綻してしまう設定を施しました。具体的には、純正ダンパーにセットするばねよりも硬い定数を選び、プリロードを抜き気味にします。減衰の効いていないダンパーでこの手法をとると、動き出しに張りもしなやかさも無く、ただ動くだけの危ないサスになってしまいます。ですから、抜いたプリロードに部分には減衰をあてがい、しなやかさを演出し、ストローク奥はばね定数本来の強さで踏ん張ります。
ダンパーを交換(使用変更)する目的の一つに、使いたいばねを選ぶためとも換言できます。サスペンションの主役はばねであり、ダンパーはわき役です。そのなかでも大根役者も居れば、名わき役も居るのです。
ダンパーに対するライダーの評価は、「アクセルを開ける状況で、タイアが滑っても飛んで行かない。ノーマルはそこで横飛びを起こし、アクセルを戻すが、SGMFGではスライドしても安心して攻めていける」とのコメントでした。狙い通りですが高性能ダンパーですから当然で、そこから一歩先を見せるのが、本当のレーシングパーツだと思っています。
テストは具体的に、以下のように進行しました。
一 取り付けた状態のまま走行し、状況を確認する。
二 問題が無かったので、レコードタイムと同等のタイムが出るまで(43.6秒)そのまま走る。
三 レコードタイムを上回ったので(43.952秒)、セットを変更する。イニシャルを掛けベスト更新(43.550秒)。
最初の15分×4本は手をつけず、最後の15分だけセットを変更しました。このように、ベースセットを作る場合は無闇にセッティング変更を行わず、目途が経つまでとにかく走り、ベストタイムと同等まで進んでから変更するのが無駄のない手法だと考え、当社ではその手法を取っています。
今回は走行時間が1時間15分でした。次回は走りこみを主眼に、22日に茨城県の岩井サーキットでテストを行う予定です。
桶川で青山博一さんがCRFモタードで走行されていましたが、すわ!GPライダーの滑らかで無駄の無いライディングは素晴しいものでした。