SGMFG000 筑波初走行

 渡辺瑛貴君を起用した「SGFダンパー開発チーム」の、筑波初走行を10月3日に行いました。

 ライダーと車両の両面において、課題を見つけましたが、2時間に及ぶ走行後の会議において、足回りの問題点を明確にする事が出来ました。

 アクセルを開けてから加速へ移るまでに「待ち時間がある」、と言われ詳細を確認したところ、ダンパーが効き過ぎているとの結論に達し、ばね定数とばねの初期荷重に関しても新たな方向性を示してくれました。

 フロントも最終コーナーで「前がインに入ってこないので、体を入れなければならない」とのコメントから、減衰を見直す事にしました。

 重要な点は、一般に想像されるような調整は一切行わず、セットを固定した状態で走り、問題点を発見しました。もちろんライダーの能力が高いことも一因ですが、セットアップを早期に詰めるには無闇に変更せず、じっくりと問題を浮き彫りにする事だと、改めて感じるテストでした。しかも、今回はコースへ出向けなかったので、車両返却の際にライダーとのミーティングで、それを発見できたのも大きな収穫です。

 レースまで2週間を切ったこの時期に、来週は鈴鹿へ56Racing様のレースへ帯同するので、またまたテストへ参加できない状態が続きます。しかし、この2ヶ月間の開発から学んだ手法を鈴鹿で発揮し、チームへ恩返しをしたいと思っています。中野監督の若かりし頃の経験を伺い、それをそのまま実践する事で、その有益性を身をもって体感しています。

 レースを走る方はもちろん、メカニック、エンジニアの方は、ライダーを信じて結論を焦らないようにすれば、振り返って無駄が無かったと悟る日が来るかもしれません。