ハヤブサのサスペンション
土曜日に納車したハヤブサについて、考察を記します。
フロントは純正のフロントフォークをオーバーホールし、シム組みを変更、油面も変えました。純正の減衰も酷くはありませんが、少し変更するだけで大幅に良くなります。このフロントフォークの一番よくない点は、オイルロックピースの効果が長すぎる事だと感じています。ロックピースのオイルだまりに逃がし穴を設け、任意のストロークを設定しました。
ばねはWPの9Nmが入っていました。以前の私ならば、10~10.5Nmを選択したのですが、最近はストロークに対する見方を変え、柔らかいばねをどのように使うかにも面白みを見出しています。
リアはFGを取り付け、それだけでダンパーに関する問題は解消します。車高調整とプリロードを変えらるなら、ダンパーの基本は作れますので、あとは減衰で補正するだけです。ハヤブサ用のFGはイタリアには設定が無いので、旧知のアイザワさんという方がベースを作った品でしたが、非常によい乗り味でした。他人の作ったダンパーを試すのは、心が躍ります。
セッティングの一例を挙げると、パッと乗り感じたのはフロントの圧減衰を増したことで、ブレーキ時にとてもしっかり感と安心感が演出できていました。しかし、フロントが入りずらいので、リアの車高を上げバランスを取るのが以前の方法でした。ですが、この度はフロントのイニシャル、減衰を少し抜きブレーキとの連動性を増し、リアは伸び減衰を1クリック抜き、イニシャルを0.5~1mm増し対応しました。
上記の変更により、前後のピッチングがより明確になり街乗りからツーリング先の峠道で、とても楽しめる車体に出来ました。昔の方法論では、常に攻め続ける設定だったように思います。人によってはそれも良いセットなのですが、大局的に観て、人に優しい車両を考え作るように心がけ、良い車に出来ました。