ロッド表面の硬度

 昨日写真を載せたロッドの表面硬度を簡易的に測ってみました。

 硬度計は持っていないのでポンチを玄能で叩き、その表面の変化を観察します。四枚の写真を比較すると明らかな差があります。まずSGSAはメッキ層が厚いうえに、ロッドの母材がステンレス系なので、かなり硬くほぼ変化がありません。すべてを硬くして摩耗を減らし耐久性を上げるのが目的です。

 再メッキ品は膜厚があるため母材の鉄への影響が小さくなり、かなり変形を抑えられています。しかし経験上、母材との馴染みにやや難があるように感じています。それがSGSAを製作する切っ掛けとなりました。

 オーリンズとCB1300SFの二社のメーカー純正ロッドは、ほぼ同様の状態です。これはメッキ層が薄いため、殆ど母材の鉄を叩いているのと同様だからです。メッキ層が薄いため、ロッドの曲がりに対してハードクロームの膜が剥離しづらいと考えられますし、大きな力が掛かった際に折れるのではなく、曲がることで対応する意図もあるように感じます。ですが、ネジから摺動面への境目は構造上弱く、亀裂が入っているのは数回目撃しています。

 上記の結果と経験から、ロッドは硬いほど長持ちすると判断しました。安全性に関しても純正の構造でも折れたり亀裂が入るので、硬度を高め安全性を上げるのを念頭に置いています。昨年のSGFDDT(筑波TTへ参戦した)ダンパー開発チームで活動した際に、同シャフトを使用し耐摩耗性や曲がりに対する確認を行っていますので、お客様にも自身を持って提供しています。

 201610863033.JPG SGSAのロッド表面。ほぼ変化はありません。手持ちのカメラでは写せませんでしたが、若干凹みが観察できました。

  

 

 

 

 

 

 

 201610863226.JPG 再メッキをしたロッドの表面は、ハードクロームの厚みが増したことで、純正と比較した場合、かなり凹みが少なくなりました。SGSAよりは少々歪みが大きいのですが、かなり改善されています。

 

 

 

 

 

 

 

 201610863416.JPGCB1300SFのロッドです。かなりしっかりと凹んでいるのが見て取れます。硬度の高いハードクロームの層が薄いため、母材の鉄へ簡単に影響を及ぼします。

 

 

 

 

 

 

 

  オーリンズの表面もCBと同様に大きく歪んでいます。201610863629.JPG