色々試乗、通勤
昨日はヤマハ・MT-07の試乗と、開発車両のCB400SFを通勤で使い、新たな知見を得ました。
スタンダード状態のMT-07には良い印象を持ちませんでしたが、お客様が持ち込んだ個体はとても好感の持てる仕様で、これならもう少し手を加えてみたいと思わせる車でした。
純正のリアサスは、動きが「コキコキ」している印象でした。わかりやすい例えで言えば、グリスの切れたフロントブレーキを握った時のような、連続性(滑らか)がない「カッ、カッ」と動く断続的(切り替えスイッチのよう)な感触です。それが写真の個体は極めて作動性が良いため、車両特性が全く違っていました。
持ち主の方は仕事柄、ダンパーや車両パッケージに対する深い理解を持っているため、車両の方向性は素晴らしい物でした。
CB400SFは、アルバイトの矢作が以前に試乗記を上げていますが、私は純正に対して色々注文を付けたくなります。ただ、一度沈めたサスを戻さないという純正の動きは安定感があり、不安を持たせず乗り手を選ばない手法だと学びました。しかし、少し速度を上げてアクセルオフから動きを作ろうとした場合、ノーズダイブの量が大きく、無駄が多くなります。深めのバンク角でギャップに乗ると大きくうねるリアには不安を感じます。ただ、間口を広く取った乗り味なので、そこには文句を言わず、個人の好みに合わせればよいと割り切れば、なかなか深みのある設定だとも思います。これには伸び減衰を強くする必要があるのですが、ただ減衰を強めれば、乗り味が悪くなるため、それを誤魔化す手法がとられています。よくある手かもしれませんが、その誤魔化しを気付かせない上手い方法でした。ヒントは相対性です。
前後のスプリングを純正のまま詰めてゆくと、乗り手を限定する独りよがりな車になりそうですが、当初の理念である「純正をなるべく用いて、低予算」が崩れてしまいます。ここは何とかまとめてみます。フォークスプリングは、メーカー純正流用で安価に済ませれば、お客様にも怒られないかしらん?などと不埒な事も頭をよぎります。