56Racing様との耐久レース
耐久レースにおいて、ライダーの個別セットを進める場合に、何が障害になるのかを考えます。
同じ車でも、ライダーの人数分だけセットアップの数があります。特に56Racingは速いライダーが揃っています。それゆえに主張も強く、二人を納得させたうえで仕上げる難しさがありました。
埜口遥希君は中学二年生、渡辺瑛貴君高校二年生。年齢と経験から渡辺君のライディングの懐の深さに甘え、基本的には埜口君寄りのセットでセッションを進めました。私を交えた3人に更に大槻を加え、セッティングよりもライディングに言及する話し合いを行い、CBRの車体特性を踏まえ、サスセットを考えました。
ライダーには厳しく接し、サスが硬いと言われれば「技術が無いからサスが動かないんだよ」と伝えたり、自分のセッティングが正しいと主張されれば「自分の事ばかり言わずに、ペアライダーの負担も考えなさい」と諭しました。
他方、初めて大幅に違うセットに乗ったライダーに対しては、「ライダーがどこまで車体に合わせられるのか」を考えて欲しいとも言いました。
3年以上CBRに関わって観えてきた、チームのデータからこの辺に落ち着く、といった数値があります。二台体制で数年も走らせ、多くの変更を施したから判る、スウィートスポットのようなポイントがあります。そこから大きく逸脱した車体はその年、そのレースは速く走れても、十年二十年といったライダーとしての成長を得られるのかと言えば、疑問を持たざるを得ません。ですから監督以下チームの方針として、スタンダードバイクと呼べるセットを模索し、それを乗りこなしてもらう方が、目の前では結果を残せなくても、最終的には大きな成果を得られると考えます。
今回素晴しかったのは、全員が目的を達成してくれた事が、一番の収穫です。そして色々なアイデアが生まれ、昨日もそれを具体化するために社内会議を通し、今後の課題をあぶり出し、問題を解決し計画を前に進めていきます。