S1000Rの新たなローダウン開発記録 ”シート高30mm下げ” を20万円以下で実現する
S1000R|費用対効果ローダウン「LTD」開発メモ(進捗レポート・修正版)
要点
- 2025年型で再採寸 → 2021年以降と大差なし(数 mm の差は個体差の可能性。継続測定で検証)
- 目標は シート高 −30 mm。あえて上限を設けて 価格と作業密度を最適化
- 走りの質を落とさないため、前後スプリング交換前提の「LTD.S2.2S(Sportivo)」を軸に、**RS(Royal Saloon)**を検討
1|背景と採寸結果(2025年型)
S1000系ではこれまで LGN(最大級の下げ幅×走り)を中心に提供してきました。
一方でユーザー要望の高まりと、LTD1.5/LTD.S2.2/LTD.RS2.2の運用実績により、S1000系にも費用対効果型のLTDを展開できると判断。
2025年型 S1000R を新規採寸したところ、2021年以降と設計差はごく小。計測上の数 mm 差は“個体差”の範囲と見て、複数個体で追試します。
2|設計方針:なぜ「−30 mm」なのか
- コスト管理:下げ幅を欲張ると部品点数・加工工程が増え価格上昇。−30 mmまでに限定して価格を抑制
- 運用しやすさ:最低地上高・電子制御・ジオメトリとの整合が取りやすい帯域
- 走りの保持:ネイキッドのS1000Rは日常~ワインディング主体の前提。ストローク温存と初期追従性を重視
技術的には −30 mm超も可能ですが、価格上昇と設計の複雑化が必須になるため、今回開発では採用しません。
STDの足つき確認動画 身長165㎝ 体重70Kg 股下72~73㎝
3|仕様の考え方:LTD.S2.2 を軸に S / RS を選定
スタンダードなLTDは、前=突き出し変更/後=スプリング or スプリングシート(カラー)変更が基本。
ただし S1000Rの走りを落とさないため、**前後スプリング交換を前提とする「LTD.S2.2」**を起点に設計します。
- LTD.S2.2(Sportivo):日常域、スポーツ寄り。走りの楽しさ/接地感を優先
- LTD.RS2.2(Royal Saloon):快適寄り。段差の角を取る方向
- 車両の想定用途から、S1000RはS(Sportivo)を軸に検討(RSも選択可)
4|現在の進捗と次工程
完了:前後ショックの採寸/必要部品とレートの選定
これから:
- 部品製作 → 2) 組付け → 3) 実測下げ幅の検証 → 4) サイドスタンド傾斜角の実測とカット量決定・施工
完了後は、実測値と足つき動画を公開します。
5|電子制御と安全確認(開発時の運用)
LGNで多数施工した経験上、電子制御への悪影響は想定しにくいものの、開発版では完成後に正規ディーラーで確認を依頼。
エラー履歴・キャリブレーション(DDC/Dynamic ESA)の再点検、ハーネス応力/カプラ座り/電圧状態まで含めて安全性を検証します。
6|サイドスタンドについて(実測後に最終決定)
S1000Rは −30 mm級でサイドスタンド加工が前提になるケースが多い車種です。
完成後に傾斜角を実測し、STDを基準に最小限のカット量で仕上げます。
7|測定条件(再現性のための標準)
- 空車1G(車体自重で自然沈下した状態)
- 燃料:3L
- タイヤ空気圧:STD
- プリロード:最弱
※上記条件にて実測・比較を行います。環境により**±数 mm**の差が出ます。
8|価格・納期の目安
目標:税込 20万円以内(脱着+サイドスタンド加工込み)
納期:初回開発 約3週間 → 量産 1〜2週間、ショック単体 約1週間
9|まとめ
- S1000R向けLTDは、−30 mmの“現実解”で価格と走りの両立を狙う計画
- 仕様は**前後スプリング交換の「S(Sportivo)2.2」**を基本に、RSの味付けで最適化
- 測定 → 試作 → 実測 → 検証の順で進め、数値と動画で公開します
重要なご案内(ローダウン共通)
メーカー保証は販売店・ディーラーにより判断が異なります。ご購入店/お取引先へ事前確認をお願いします。
ご相談・CTA(BMW以外も開発可)
「自分の車両でもLTDが可能か?」 まずはお気軽にご相談ください。BMW以外の車種でも採寸 → 設計 → 検証のプロセスで開発対応します。
TEL:090-3316-5306 / LINE:@llv7594i / フォーム:https://sgfacendo.com/contact
**身長・体重・主用途(街乗り/ツーリング/峠/サーキット)**をお送りいただければ、目安の仕様案・概算・工程感を返信します。