S1000RRのマルゾッキフロントフォーク 電制
BMWのS1000RRフロントフォーク。マルゾッキになった2019年型以降の品です。
実は外観からは製造会社がZFSachsからMarzocchiに変更があったとはわかりません。ブラケット部分に表記があるためかろうじて認識できる程度です。
昨日のブログでも書いているのですが、内部は想像以上に異なります。例えば電子制御は同じでも従来のピストンにシムが載る構造は伝統的なダンパ構造です。
この仕組みのおかげで、ザックスと違いこのマルゾッキはかなり微細な調整が行えます。さらには加工を施す事でスプリングの調整しかない右フォークに減衰調整を組み込むことも可能です。
ただ、そこまでするなら最初から非電制ショック採用車両を選べば良いので、無用の長物かもしれません。ですが似たようなカテゴリのDucatiのムルティストゥラーダに対して、左電制、右アナログの減衰調整を組み込んで実走させて経験があります。
これは基本の大きな変更を電制側で行い、そこから微妙な調整は右のアナログ調整で行うというものでした。私自身としてはかなり良い仕組みだと思いましたが、作業工賃と部品代が高く一般に売れるような形には仕上げられませんでした。
今後はこのような製品、プロダクトを会社としてどのように提供してゆくのかが、課題だと感じています。