SC38 X4の純正リアショック、カシメ型をオーバーホール。従来よりも安価になりました。
弊社ではカシメ型のO/Hを10年前に開発し、これまでにかなりの数を作業してきました。
カワサキのWやZよりももっと新しい、90年代以降のリアショックでもこのカシメ型を採用しており、部品として販売を終えている事も多くO/Hの要望も高まっていました。
ホンダのCB400F/NC36でも同様です。マニアックなところではゼルビスやジェイドもカシメ構造になっています。
一度カシメを行うと、おいそれと分解できません。そこで極力ロッドは再メッキを施し、交換可能な部品は入れ替えを行います。
ピストンはSHOWAカシメ型として一般的な形です。このダンパーの基本的な仕組みはカートリッジ式フロントフォークと同様であり、ショックユニットにある程度詳しい方なら副筒式と言えば伝わるでしょうか。
組み立て時には緩みを極力防止する観点から、廻り止めナットを用います。更にロックタイトも併用し万全を期しております。ナットの締付けにはトルクレンチで社内基準をもとに安定した軸力を確保します。ここの締め付けが変わるとダンパーの動きに違いが発生するため、安定して同じ力で締め付ける必要があります。
部品を組み込み、再カシメを終えました。当然ですが、ショックユニット全長に変化はありません。
外観は純正をほぼ保ったままのO/Hが可能になっています。
純正をそのまま使いたい、社外品を買うほどではないがO/Hは行いたい。業者の方では中古販売の修理として行いたい。との希望に答えます。
これまでよりも手順を見直し、若干安価に作業が可能となり、80年代後半~90年代前半の車両では3万円ほど作業工賃を減じる事に成功しており、よりO/Hを身近に出来たと考えます。
O/H、再メッキを含め税抜き9万円程となります。
Zなど旧車の一部では再利用可能なKONIタイプへの加工も行えます。新たに依頼がありましたため2月には改めて記事にしますのでお待ち下さい。