VFR800FとGSX-S750
GSX-S750とVFR800Fが同時期に入荷しました。
中間排気量のこの2台。って以前は400〜600ccがそれに当たると感じておりましたが、今では一段階上の排気量に移行したようですね。
2台を試乗する動画を撮りました。
VFR800とGSX-S750の比較動画 https://youtu.be/I1GbpioHj9khttps://youtu.be/I1GbpioHj9k
GSX-Sを主に評価した動画 https://youtu.be/Gyy902XUzBE
大きく違う2台ですが、その詳細は動画に譲ります。この場では排気量に焦点を合わせて話をして参ります。車名に排気量が示されており、カタログスペックを確認するとGSX-Sの方がやや出力が大きいようです。ですが現代では二台とも極端な高出力ではありませんので、扱いやすく穏やかです。
低回転からしっかりとトルクが乗り、街乗りに向いています。リッターバイクほど力強くない点が扱いやすさを生み、とても好ましく感じられる。ここ数年GSX-R750RK,2011年型のR750、GSX-S750に今回のVFR800と中間排気量を多く乗る機会を得て、自分の好みもより鮮明になりました。
私自身、C型9Rを所有しています。速いかどうかといえば、カタログ値で140馬力ほどですから今なら大した性能ではないけれど、度が過ぎない程度にしかし十分力強く、1000cc以下のバイクが自分には合うと認識できました。そういえば昔は900モンスターも乗っていたし、友人の乗るドカテイ996も良い感じでメーカーも大排気量・高出力の傾向を抑えて現実的な速度域で楽しめる車両を持っと作ってもらえるといいなあ。と考えています。
カワサキのW650も遅いからこそ楽しいバイクで、古めかしい旋回性は乗りつければ飽きそうに思いますが、そこは前後ショックを作り変え、新しい面を演出できればさらに10年楽しめるバイクになると確信していますから、欲しい一台だとここ数年、ずっと羨望の眼差しで眺めています。
排気量とエンジン出力は、特定の傾向を好ましく感じると最近数値化できました。それは「小さい排気量でトルクの数値が高い」と言う事です。例えばVFRとGSXの2台は排気量の小さなスズキの方が最大トルクは高い。C型9Rは排気量が900ccなれど最大トルクは10.3Kg-mとカタログにあります。エンジンに明るい方には釈迦に説法でしょうが基本的に排気量100ccに対してトルク1Kが相場ですから、特筆すべき高トルクエンジンだと言えます。
このエンジンは今まで乗ってきた車両の中で一番好きだと言えます。低回転から力強い加速をみせてくれますが、これは馬力では演出できないトルクの強い車両ならではです。
そう言った意味で低回転でトルクに溢れる二気筒が自分には合っているようなのですが、9Rだけはその中でも別格でした。
例えば鬼トルクと言えるMT-01はどうなのであろう?と乗ったことのない方は疑問に思うでしょうか。実はMT-01は数値こそ高いのですが、体感ではスルッと加速してあっという間に速度が出てしまい、圧倒的なトルク感、を体感できません。もちろん楽しいバイクなので否定する気はありませんが、私の好みには、トルクの乗り方が今一歩でした(逆に車体はかなり好み)。
車両の基本配置(要するにジオメトリと呼ばれる代物)は後から変えられない場合がほとんどですから、車両選びには慎重になります。原動機の形状と出力特性が二輪車の基礎をほとんど決定しますから、そう言った意味でカタログスペック、例えばトルクや出力特性、横から見た時の各部の配置をじっくり眺め、バイクを選んで見てはどうでしょうか?と提唱します。
長い脱線を経て話の本筋に戻ると、VFRとGSXの2台。私にはスズキの方が原動機の特性は好ましいし、車両の軽さも良い点ではあります。ただVFRのややリア下がりで車重が重い鈍重な操舵性もなかなか味がありオツです。この2台のどちらを選ぶかは難しい選択ですが、仕事で同時に比較試乗できたのは、人生の幸運でした。
また面白い比較ができたら動画やブログにして、皆さんに伝えてゆきます。
ちなみに依頼の内容はVFR800Fが50mmシート高を下げる。GSX-Sは30mmシート高下げでした。