Z2の純正ショック 初のフルレストア

 依頼いただいたKYB純正のZ2リアショックですが、初のフルレストアを無事に終えました。

 初期の依頼内容はO/Hと全ての部品に輝きを取り戻すための再メッキと塗装でした。

 過去の経験から一つの課題に直面しておりました。それはカシメ型のショックの場合(塗装でも同様ですが)再カシメの作業において、メッキがバリバリとゆで卵の殻のように剥がれる事です。純正のメッキではそのような事は起こりません。
 塗装も同様で、塗膜が暑いと塗装が割れ落ちます。しかし塗装はその作業の特性から、再カシメ後でも施工かのうなため、これまではO/H完了後にボディーを塗装しておりました。

 なんとか解消方法はないかと模索したのですが、どうにもならない。ではコロンブスの卵的発想で「再カシメを行わない」手法を開発しました。

 そのため、お客様には割と長期間お待ちいただき、最終的な納期は5ヶ月いただきました。本日そのお客様が引き取りに来て下さり、仕上がったリアショックをみて大層喜んでいただけました。

 再カシメを行わない手法をKONI仕様(仮)と便宜上呼んでいますが、その優れている点はO/Hの再現性にあります。カシメ型の場合は多くて3回程度と回数制限がありました。
 しかしKONI仕様の場合、ネジによる組み立てに変わるためその回数制限がなくなります。

 Z1やZ2の純正ショックが何度でもO/H可能となり、しかも仕様変更や保証修理も安心になるのです。

 では問題点はあるのか?との疑問は当然浮かぶでしょうが、それは何かと言えばカシメ形状ではなくなるため、純正感が数%失われる(注意してみなければ判断できないし、マニアでなければ見つけられないでしょうが)点と、作業が高額(O/H料金は19万円超、フルレストアの場合は30万円を超える)な二点に集約します。
 前者はそれほど問題にならないかもしれません。後者はやや障壁が高いと思いますが、それでもその価値は十分にあるのでZ系を長く乗り続けたい方は一度相談いただければ見積もり等を提示いたします。

 

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