ZF Sachs ザックスの電子制御ショック フェールセーフ時の振る舞い、挙動について

Ferrari 360/430 など 2000 年代フェラーリに載る ZF Sachs 電子制御ダンパーは、0‑1.8 A の電流を 2 ms ごとにソレノイドへ流し、瞬時に減衰を切り替えます。ところが社外ショックへの換装や配線トラブルがあると ECU が自己診断で「減衰が応答していない」と判断し、警告灯点灯と “最硬モード固定” でフェールセーフに入ります。ダンパーそのものが壊れているとは限らず、ECU との通信エラーを解消すれば本来の乗り味は復活します。

1. ZF Sachs 電子ダンパーの仕組み

電子バルブ付きモノチューブ内部に小型ソレノイドを搭載。ECU が常時電流を変調し油路を開閉、2 ms 間隔で減衰を更新して路面追従性を確保します。(YouTube, マークラインズ)

2. 警告灯が点く典型シナリオ

ECU 側の自己診断

  • ソレノイド抵抗値が規定外
  • 指令電流に対し電流戻りがない
  • アクセル・ヨーレート等の入力に対し減衰変化が追従しない(aftermarket.zf.com)

車両側で起きがちな原因

改造・故障例 ECU が検知するエラー
社外ダンパーで電磁バルブ無し 抵抗値=∞ Ω
O/H 後にカプラ逆挿し 電流遮断
自作キャンセラー装着 応答ラグ増大

結果 ECU は「重大故障」と判定し、4 輪とも最硬減衰にロックして警告灯を点灯させます。(zf.com, aftermarket.zf.com)

3. フェールセーフの乗り味

  • 乗り心地は「鋼板の上を走る」レベルでハード
  • ドライブモードを切り替えても変化なし
  • DTC に “damper actuator fault” が常時記録(zf.com)

4. リカバリー方法とコスト感

方法 可変減衰 概算コスト メモ
ダミー抵抗で騙す × 警告消え・減衰固定
バイパス ECU キット × ★★ 配線加工小
純正ソレノイド移植 ★★★ 機械加工要
ECU リプログラム ★★‑★★★★ ディーラー非対応多し

5. 予防と運用アドバイス

  • O/H 時は ソレノイド端子向き・抵抗値(フェラーリ 360/430 は約1.8 Ω)を必ず確認
  • キャンセラーを使う場合でも 最硬ロックになる副作用を理解しておく
  • 車検・点検前には OBD で DTC を消去しないと再点灯する恐れ

お困りのフェラーリオーナーへ

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