ZX-10RのBFF、改造を進める

 表題の通り、分解を終えたBFFの組み立て作業を進めていますが、部品を作ったり修正を行っています。

 トップアウトスプリングの交換。

ロッドに組み込んでいるのが自社製、バネ単体が純正。

 上の写真でわかるようにトップアウトスプリングを交換しました。純正はレートが高いので、定数を落として設計値のストロークを全域で使える様にしています。これによりフロントの高さを十分確保出来ます。

 スプリング交換と、位置変更。

純正インナ、カートリッジ、スプリング。
純正では、バネがインナーの底部に沈む。

 2つ目の変更点はバネの位置です。純正ではバネがホイールに近い場所に位置し、その上に長いカラーが載ります。
 これは良い面もありますが、反面ではバネ交換がとても面倒です。バネを取り出すのに長い棒状の磁石を用意して引っ張り出す必要があり、更にはオイルがたっぷりとバネ付着するため、油面の変化が極めて大きくなります。

 それを解消するため、スプリングカラーを用意してバネをより上部へ移します。こうすれば簡単にバネを引っ張り上げられるし、油面変化も最小で済むため、セッティングがより簡便になるのです。

バネの右側に見えるのがスプリングカラー。
取付時のイメージ。

 この様な仕様変更は性能自体を上げるわけではありませんが、性能を高めるための時間を短縮します。そのため、サーキットなどの現場では重要な変更です。

 完全分解。
 ブラケットから飛び出すリザーブタンクも分解しました。一般的には不要な作業ですが、前部を分解して測定を行い交換部品の選定や傷み具合を確認します。

リザーブタンクは二重になっている。
インナー、リザーブ、ダンパユニットが外れ、単体のブラケット。
汚れていたリザーブタンク底部。

 普段は分解しないリザーブタンクの取り付け部分は、汚れが溜まっていました。このフロントフォークは部品点数が多く、複雑な造りをしています。Oリングの使用個数も多いのでかなり工数がかかる高額な作業です。それでも車両本来の良さに加え、フロントフォークに関して抱える悩みを解消したいという欲求からか、数多く依頼を頂いております。

 今回は重要な変更作業を解説しました。

 また改造が進み次第、解説をしますので楽しみにお待ち下さい。

 

 

 

 

 

 

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