【Z900RS】のサスペンションセッティングを変更して、操舵性が向上しました。

 今月はZ900RSをとことん突き詰める都合から、ブログと動画が同車両に塗れるのはご容赦頂きたい。

 という事で、先日ブログ動画で評価したダンロップのGPR-300でサスペンションセッティングを変更し、どの様に操舵性が変化し、好印象を持つに至るかを説明します。

 1 調整箇所
 2 重要だった調整
 3 タイアを含めた車両の総合評価
 4 総評

 1 調整箇所

 これは事実なので簡単に述べて終わりにします。 

トップキャップの調整箇所

 トップキャップ部分には伸び減衰の調整とイニシャル調整があり、これは左右で共通です。突き出しも±が可能。

圧減衰の調整

 圧減衰は右のフロントフォークのみ調整可能であり、ブラケットにあります。ちなみに減衰力を発生するカートリッジはメーカーのパーツリストで左右共通なのを確認。

 リアショックはイニシャルと伸び減衰が調整可能。ただし伸び減衰は両効きとも言えるほど、圧減衰への強い影響が現れます。

 サスペンションの調整箇所は以上です。

 2 重要だった調整

 全ての調整箇所を変更しました。一番最初に感じるのはフロントのノーズダイブ(沈み込み)量であり、これを改善するためフロントのスプリングイニシャルを増したのですが、半回転を超え一回転ほど足すとフロントの高さが過剰に感じ、結局半回転に落ち着きました。

 またノーズダイブの速度も早いため、圧減衰を増しています。

 リアは動きが軽いため伸び減衰を強めました。方向性は良かったのですが、伸びと同時に圧減衰も予想以上に強まり、リアの高さが鼻につきます。という訳でイニシャルも変更してゆきましたが、最終的に1回転強も弱めました。

 この変更により極めて安心して走れるようになり、一番大きな良い変化を起こせました。

 これらの調整を進めてゆく中で把握できたのは、リアショックのイニシャルを適量に合わせ、そこから各部を変更してゆくほうがセッティングを短時間で終わらせられる点です。

 上の写真からも分かる通り、セットを変更し好みに近づけると狙い通りに車両が動くようになり、安心感も増すのでタイアの使用領域が増大します。より強い減速と加速が行なえタイアの変形を促せるため、グリップ自体が高まり安全性も同時に高まり、自分にあったセットを模索するのは極めて重要と改めて痛感する次第。

 3 タイアを含めた総合評価

 純正のままでもかなり良いと感じていましたが、至らぬ点も多々あり、不満でした。

 セットを変更後は減速から加速に向け、つなぎ目なく滑らかに進みとても好印象となり、大変満足。具体的にはリアのイニシャル変更が功を奏して、車両の姿勢が必要な時は前下がり、時にはリアが下がり、総体として均一な姿勢になったと言えます。

 サスペンションのセッティング変更とは煎じれば「その瞬間に最適な車高を演出する」事にあります。それが今回の変更でかなりの部分で満足させられた。ということです。

 しかし、不満な部分も残ります。一番はバネの値であり、それはやや柔らかめのレートは交差点や超タイトな峠道のような低負荷領域でかなり良い仕事をするが、高負荷では動きが大きすぎて対応しきれないし、バンク中に大きな外乱を超えると動き気味のダンパーが振幅を抑えられず、落ち着かない事にあります。

 総評

 上に書いた部分は不満でもありますが、逆に使用領域をある程度限定することで、その範囲においては突出した使い勝手を持ち、これがZ900RSが売れ続ける理由だと考察すると同時に、確信を持つに至りました。

 次回はフロントフォークとリアショックの詳細を少しづつ公開します。

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