エリミネーター400のローダウン”LTD” 納車
カワサキエリミネーター400のLTD:小柄なライダーにも対応したローダウン手法
序章: 進化するローダウン技術 – LTDからLTD 2.0、そしてLATへ (2024年12月5日追記)
カワサキエリミネーター400のローダウンは、現行のLTDによるシート高30mmのダウンで多くのライダーから支持を受けていますが、さらに進化させたLTD 2.0の開発を進めています。この新バージョンでは、現行のLTDで培った技術を踏まえ、より大幅な下げ幅と、快適性・ハンドリングの両立を目指しています。また、さらなる選択肢として新たに展開が検討されているLAT(Lowdown Avanguardia Tecnologia)は、LTDとLGNのハイブリッドシステムとして、高性能と実用性を兼ね備えた提案となります。価格は予価15万円。
LTD 2.0では、フロントフォークスプリングの交換や、新たなスプリング設計を導入し、シート高で40mmから50mmのダウンを実現する予定です。一方、LATはLGNのRCT(ロード・コンタクト・テクノロジー)をフロントに採用し、リアにはLTDの手法を取り入れることで、価格と性能のバランスを追求しています。これにより、より高額な選択肢にはなりますが、下げ幅と走行性能を求めるライダーには最適なソリューションとなるでしょう。価格は税込みで20万円以下となります。
1. LTD 2.0の開発意義
現行LTDは優れた足つき性とコストパフォーマンスを提供していますが、「もっと下げたい」という要望に応えるべく、LTD 2.0では新たな設計を導入予定です。フロントフォークの突き出し調整だけでなく、専用スプリングの設計と交換を加えることで、シート高で50mm近くのダウンを実現可能となります。
2. 新提案 – LAT
LATはLTDとLGNの中間に位置するハイブリッドモデルとして構想されています。例えば、エリミネーター400で40mmの下げ幅を狙い、フロントはRCT採用でハンドリングを向上させながら、リアにはLTDを応用することで、価格面での負担を軽減しつつ、最大限のパフォーマンスを提供することが目標です。
今回の記事内容
- LTDとは?
- エリミネーター400におけるローダウンの重要性 下げ幅30mm
- スプリング選定のポイント
- 試乗の印象:エリミネーター400とLTDの相性
- 納車時のライダーの感想
- 今後の展望
- 結論 価格
1. LTDとは?
LTDは「ローダウン・トラディショナル」の略称であり、ローダウンの一つです。この手法は足つき性を向上させると同時に、快適な乗り心地や優れたハンドリング性能を保つことを目指しています。LTDの主な特徴は、費用対効果に優れている点です。ローダウンの効果を最大限に引き出しながらも、価格を抑えつつ、車両の走行性能を大きく損なわないように工夫されています。
このLTDでは、主にリアスプリングの交換やプリロード(イニシャル)量の調整が行われ、ライダーの体格や乗り方に合わせたカスタマイズが可能です。特に小柄なライダーにとっては、足つき性の改善は安全性と快適性の向上に直結します。エリミネーター400に施されたLTDもこの理念に基づき、バランスを重視したローダウンが施されました。
2. エリミネーター400におけるローダウンの重要性
今回の下げ幅はシート高で30mm程でした。
カワサキエリミネーター400は、クルーザーモデルとしての安定感と快適なライディングを提供するバイクですが、その独特の車両構成はハンドリングに敏感な一面があります。特に、エリミネーター400のように太いフロントタイヤと大きめのキャスター角を持つモデルは、舵角や操舵感に影響を及ぼしやすいため、ローダウンによるハンドリングへの影響は無視できません。メーカーの設計はこれらの難点を上手に処理し、ライダーに違和感がないように工夫されているのですが、LTDによるローダウンでもこのバランスを崩さないことが重要です。
3. スプリング選定のポイント
上の写真は純正スプリングです。
今回のエリミネーター400のLTD施工では、ライダーの体格に合わせたスプリング選定が行われました。施主となる女性ライダーは身長150cm、体重約40kgと非常に小柄であり、一般的なサスペンション設定では足が地面に届きにくく、快適なライディングが難しい状態でした。そのため、LTDにおいてはこの体格に見合ったスプリングを選定し、リアスプリングの交換とイニシャル量の変更を施すことで、下げ幅を確保しました。
私自身(身長165cm、体重70kg)も試乗しましたが、施主の体格に合わせたセッティングであったため、私の体格ではリアの底づきが発生しました。私程度の体格ならば、リアスプリングを硬めに変更するのがベストな選択です。
しかし、ライダーごとにスプリングの選定が行われることで、個別に最適化された乗り心地と操作性を実現できる点がLTDの大きなメリットです。
4. 試乗の印象:エリミネーター400とLTDの相性
エリミネーター400は、その独自の車両構成により、LTDによるローダウンがどのように影響を及ぼすかに注目していました。太いフロントタイヤと大きなキャスター角が特徴で、これらの要素はハンドリングに影響しやすいものです。しかし、今回のローダウン作業においては、純正のハンドリング性能を極力損なわないよう注意が払われ、結果的には非常にバランスの取れた仕上がりとなりました。
ハンドリングに関しても、LTDを施したことで過度に神経質になることはなく、むしろ安心感が増した印象です。メーカーが作り上げた走行性能を尊重しつつ、足つき性や快適性を向上させることができました。街中での軽快な走りはもちろん、高速走行でも安定感が維持されており、ローダウンによって得られるメリットを存分に享受できる仕上がりです。
5. 納車時のライダーの感想
納車時、施主である女性ライダーは大変喜んでおられました。特に、サンダルを履いた状態でも地面にしっかりと足が届いたことに驚かれていました。バイク用の厚底シューズを履くことなく足つき性が向上したことは、日常的な乗り降りのストレスを大幅に軽減し、ライディングに対する安心感を高める大きなポイントとなります。
エリミネーター400は、もともと低重心設計を活かした走りを持ち味としていますが、LTDを施すことで、より一層の安定感と快適性が得られ、特に小柄なライダーにとって理想的な車両となりました。
サイドスタンドが出しやすいよう、引っ掛かりのよい棒を追加溶接してあります。この点も大変気に入っていただけました。
6. 今後の展望
今回のエリミネーター400でのLTD導入は成功した事例となり、施主も大変満足されました。今後、我々は他の車種でもこのLTDの手法を拡充し、様々なライダーに対応できるカスタムを提供していく予定です。特に、小柄なライダーや女性ライダーが多いバイクモデルにおいて、足つき性や快適性の向上を追求しながら、走行性能を損なわないセッティングを実現していきたいと考えています。
LTDは、単に地上高を下げるだけでなく、各車種ごとに異なるハンドリング特性や走行性能をしっかりと考慮し、最適なバランスを見つけるための手法です。これからも、エリミネーター400をはじめとする車種での検証を続け、お客様に満足していただけるローダウンサービスを提供していきます。
結論
LTDは、小柄なライダーにも優れた足つき性と快適な乗り心地を提供するローダウン手法です。エリミネーター400における試乗の結果も非常に良好であり、今後さらに他の車種でも同様のカスタムを展開していく予定です。各ライダーに最適なセッティングを提供することで、LTDは一人一人のライディング体験を向上させるでしょう。
価格は税抜きで108,000円でした。車両を預かりフロントフォークの突き出し調整、リアスプリングの交換、サイドスタンドの加工を含めた仕様です。
問い合わせ
電話:09033165306